これから世界で起きること
ただちに日本がすべきこと
吉田繁治著 PHP研究所 本体1900円
ビジネスメールマガジン№1の著者が、この明白な事実を政府・財務省・マスコミも必死で隠しているという強烈なメッセージ。日本経済に対し、悲観論、楽観論にも引導を渡す決定的な事実が心地よい。債務危機からギリシャ化する世界を踏まえ、財政破綻後の姿にも触れ所見を述べた。第1章国債の信用危機が世界を揺り動かすから、第9章金融資産防衛のためにまで408ページ。イントロを紹介する。「本書は日米欧の政府財政、金融と通貨、マクロ経済の現在および将来を予測するものです。可能な限り全体の数値に基づいて構成しています。論理的であることを心掛けた記述の先に、将来が見えると感じていたからです」 「立場は一貫して個人です。いま、知っておくことと思ったからです。金融の森と不明なデリバティブの生態も、確率論である生保や損保のように単純な構造であることに気がつかれるでしょう。CDSもこれと同じです。違うのは第3者間で巨額に売買されること。日々大きく変化している保険料率が、国債や証券の金利を中央銀行がコントロールする政策金利をはるかに超えて先導していることです」
著者は1972年東大仏文科卒。流通業勤務から情報システムと経営コンサルタント。メルマガ「ビジネス知識源プレミアム」(有料)ビジネス部門で10年トップ。データ分析をもとに論考を展開し、しばしば読者をうならせる。メルマガ有料4万5000といえば延べ読者90万とみられ、レベルの高い層と考えられるだけに影響も相当なもの。通読すると落ち着いた気分になるから不思議。何でもこいという気になる。