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森羅万象

FAO警告 「三国志」季節イベント (2020.03.10)

大量発生し群体になると、特殊なホルモンにより茶色の硬いイナゴへと相変化する。
多くの個体に餌を確保させるため変化翅は硬く強固となり長距離の飛行が可能になる。
中国でイナゴが以前に問題となった時、日本の学者は「食べればいいんじゃない?」
と捕まえて調理したが硬くて食べられなかった。
「蝗」が漢籍により日本に紹介された折に砂漠飛びバッタについて誤解により
「いなご」の和訓が与えられたせいでもある。  
   
2月16日にFAOセメド副局長が『イナゴは圧倒的な力で壊滅的な災害を引き起こす』と
飛蝗が紅海を超えてイランやパキスタン、インドといった南西アジアの国々にも
移動しているほか、ケニア、エチオピア、ソマリアでは、推計総数が3600億匹に
達している旨を警告した。
インドとパキスタン国境のラジャスタン州財務大臣は、州にイナゴ4,000億の襲撃を浴び
大量の作物が破壊され食糧不足のため州駐在70万人のインド軍撤退と公表。
繁殖の条件がよければ次の世代のバッタは20倍に増えると言われていることから    
中国メディアは2月中旬に相次いで関連記事を掲載したが、専門家の見解は
「サバクトビバッタは中国で生存できないから、大きな脅威にはならない」だった。
   
しかし中国では殷の記録にも残っているぐらいはるか古代から恐れられた災害 。 
そもそも【蝗】の字は農作物を襲う蝗の惨害をどう防ぐか、救うかに
「皇」帝の命がかかっているというので虫へんに皇と書くとする説があるほど。
(國家不務畜積、不備凶饑人事之失也。凶饑之因有三、曰水、曰旱、曰蝗)
「政府が非常時の食を蓄えておかずに飢餓の被害が広がったとすれば、
それは人災というべきものである。飢餓の主因は3つ、洪水、旱魃、バッタである。」
と明末農学者の徐光啓は著書『除蝗疏』で為政者失脚の可能性を記している。
   
ちなみに寿命も1か月から長くても3か月とかなり短いとのことだが
土の中に卵を産む性質があるので、土ごと人の手によって移動すれば、
ヒアリのように今後日本で定着し大量発生しないとも言い切れない。
    
また黙示録のバッタは蝗害の象徴表現であって飛蝗を表わしているわけではない。
聖書(ルカ21章9~11節)にあるのは終末思想の工程表のようなブラフですらある。
「戦争や騒乱があると聞いても、おびえてはならない。
こうしたことは、まず起こるに違いないが、それですぐに終わりが来るわけではない。』
そしてさらに、言われた。
『民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がる。
また、大地震があり、方々に飢饉や疫病が起こり、恐ろしい現象や天から大きな徴が現れる。』」