昭和の風林史(昭和五八年二月九日掲載分)
輸大の押し目はバネの役
輸大は押し目の入るところ。
再び買い場待ちでよい。
小豆は八千円割れから急。
えてして相場はこんなものである。
これでシカゴが高く、
円が安ければ
輸入大豆はS高もあろうか
と強気は期待したが、
シカゴ安・円高で押した。
押したけれど
先限陽線四本を立てたこの相場は、
前途雄大と見てよい。
出来高が三市場四万二百六十枚。
三市場取り組み十八万枚の厚味で、
その二割二分の玉が動いた。
まさに鳴動である。
東京先限引き継ぎは、
安値からきっちり五百円高。
一段上げ節足四手上げ
二百六十円高。
五手押し
百八十円下げは
綺麗に三分の二押し。
そして七手上げ四百二十円高。
この三分の一押しなら
三千八百七十円。
半値押しても八百円。
基調は大底(Wボトム)確認
→二段上げ→押し目→
三段上げに向かう。
このようにして序盤が終わり
来月あたりから
中盤戦に入るだろう。
安値叩きのオーバー・ヘッジが
掴まっている。
これが踏み上げるまでは
エネルギーが蓄積されていて、
基調は崩れない。
シカゴは五㌦86を割ると
下限トレンドの抵抗にぶつかる。
年初来三段上げだけに
半値押し五㌦82があっても
おかしくない。
周囲環境は、
国内の中豆圧迫は聞き飽いた。
中豆圧迫があったからこそ
三俵一万円相場(期近)が
出現したのである。
手ぐすね引いていた商社筋が
高値を盛んにヘッジしているが
取り組みの厚味が吸収するだろう。
小豆のリズムが変化した。
さすが玄人ばかりの小豆だから、
七日の引け味が
嫌だな、息切れだな―
と見た瞬間、次の日、下放れ。
先三本八千円割れから、
下げに弾みがつく。
努力して積み上げただけで、
もういいだろうというわけだ。
小豆は
真空斬りがあるから売りが楽だ。
●編集部註
相場は人間が介在する以上、
お決まりの動きにはならない。
まさかそれはないだろう
という動きが起こったりする。
実際の相場はどうなのかは別として、
得てして2月9日付近は
何かとお騒がせな事象が
多く起こるような気がする。
82年はホテルニュージャパンの火災と
日航機墜落事故が起こった。
01年にはえひめ丸の海難事故が。
手塚治虫が亡くなったのもこの日である。
83年2月9日は田中角栄元首相が
ロッキード裁判で懲役を求刑され、
全野党一致で議員辞職勧告が
提出された日でもある。