証券ビュー

森羅万象

実に頼りない あるかないかは済んでからの事 (2018.11.28)

昭和の風林史(昭和五七年十一月一日掲載分) 
輸大期近高はつぶされる
小豆は強気できない。満を持して売る。
輸大先二本に
T社筋積極買いだが怖くない。
小豆の11月新甫は
二万五千円、六千円という安値があると
信ずる人は四月限を売ることができる。
市場の常識では、
そんな馬鹿な安値があるものか―である。
あるかないかは済んでからの事。
あると思う者は売り、
ないと思う人は買う。
小豆に対して強気が多い。
ことに取引員業者筋は
高値を摑んだままの強気である。
政策を期待し、農家手取りにこだわり、
輸入枠の絞り込みや在庫薄を、
よりどころにする。
しかしこの相場、実に頼りないのである。
三月限三万円指呼の間に
買ったはいいが、九百丁を一瞬にして斬る。
二月限にしても三万円乗せは気分だけで、
あとが寒い。
このようなことでは、
十月1日二月限安値の
二万八千四百九十円(大阪)は
九千円台の買い玉の重味と
相場の日柄で潰されよう。
それにしても、やっと限月六本揃い、
今月から納会もできる。
小豆市場に人気が集まることを願う。
輸大市場に連戦連勝のT社筋が
先二本に買い玉を入れてきた―
と市場で話題になった。
T社玉は受けないように
と申し合わせているようだが、
このあたりの事が判らない。
輸大当限はM製菓も
10月に続いて戦列にある。
相場としては煎れ一巡。
強気増加だった。そして日柄十分。
11限の線は、暴落線の出現。
長期限月は
T社買いに提灯がついている。
おかしなもので、以前なら
T社に向かった大衆も、
砂糖、乾繭、生糸で
連勝した戦績を眺め、
今度は提灯だ。
これで
IOMの呼びだし相場が出現すれば、
円相場絡みで一巡買ったあとの
暴落は期して待つものあり。
特に当限売り続行は、
辛抱する木に花が咲く。
●編集部註
 ここで、
シカゴ大豆相場の月足をご覧戴たい。
当時この相場は大まかに
2~3年周期で節目となる安値を
つけていた。
 1982年10月は
その大きな節目となる安値を
つけた時間帯であった。
 80年代のシカゴ大豆は、
罫線パターンでは典型的な
天井三日底百日」の形である。
上昇トレンドは大きくも日柄は短く、
下降トレンドはより長い日柄でジリジリと、
夢見る買い方の首を真綿で締め上げて、
最終的に窒息死させるような線形だ。
 そしてドル/円相場は、
82年10月から翌年1月までの3カ月で
51円も円高になっている。