証券ビュー

森羅万象

薄商い 少しまとまって買うと強くみえる (2018.09.13)

昭和の風林史(昭和五七年八月二四日掲載分) 
小豆強気しても夢がない
薄商いの節に買われて
強くみえる小豆を売る。
先限三万円割れが今週後半にある。
あけてびっくり小豆の
作付け三万七千百㌶は、
前年比小一万㌶の増反だった。
相場は知ったらしまいで、
もう増反は気にしないでよい―と、
強気はいうが、
あとから、ゆっくり
響いてくるのでなかろうか。
小豆の線型は、
やはり先限三万円割れを暗示している。
これは、相場の流れである。
商いは薄い。
薄商いを
少しまとまって買うと強くみえる。
しかし実勢は
ダウントレンドに乗ったままだ。
小豆作柄のほうは
一時九分作がいわれたけれど、
その後の好天で十一分作などと、
平年作を上回ったように伝わる。
今の市場、強気はあくまで強気である。
それは
高いところを掴んでいるせいもある。
弱気は流れに乗っておれば、
なんということもないから気が楽だ。
先限が三万円割ってから考えればよい。
それと来月新甫の二月限登場は、
先のほうに重りをつけるようなものだ。
ともあれ今週後半から
下げピッチが速くなる足どり。
輸入大豆は強気しても疑心暗鬼だから
利食いが早い。
東京四千四百十円=三分の一戻し地点を
取るトレンドに乗っている。
いまは底固めという格好だが、
円高も一応の限界にくるところだし、
シカゴも底が入った感じだ。
この相場を売って、
一体下を幾らにみるのか。
史上最高の豊作予想とはいえ、
収穫までにまだまだ日数がある。
油断していて早霜の予報でも出れば
劇的変動ということになりかねない。
輸大相場も
今週後半にアッという動きをみせよう。
●編集部註
 この時、ドル/円相場は
1㌦=250円台。
その半年前は1㌦=230円台であった。
それがこの年の10月頃には
277円まで円安となり、
そこから10週間後の83年1月には
230円台を一時的に割り込む。
8カ月間の円安は、
僅か10週間で元の木阿弥に。
これは当時のFRB議長、
ポール・ボルカーが3年にわたって
続けていた金融引き締め政策を
断念した時期と重なる。
 この年は
台風をはじめとした気象被害が
深刻な年でもあった。
過去の年表をひも解くと
6~10月までエルニーニョ現象が
起こっていたとの事。
日本は雨に祟られていたが、
インドネシアやオーストラリアでは
干ばつの被害に悩まされていた。
 なお、この年の日本は暖冬。
スキー場に雪のない暖かい年末を迎えた。