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森羅万象

人気雷同厳禁 沖の風を読み潮を眺める (2018.08.29)

昭和の風林史(昭和五七年八月六日掲載分) 
一発高は売り場になろう
きょうあたり一発高いかもしれない。
高値は利食い専心。
飛び付き買い苦労のもと。
二連休を控えて小豆は、
きょうあたり買いたくなる強さを
見せるかもしれない波動であるが、
飛び付き買いは感心せん。
作柄のほうは北見が悪い。
二・五俵精一杯という見方。
帯広は二・八俵~二・九俵だろう―と。
全道バラつきがひどくて
平均すれば二・六俵あたりでないか
とみていた。
強気は
1月限に渡す品物がないというし、
ここにきて12月限本命説もある。
すなわち12月には
渡すべき中国小豆は姿を消す―と。
ひょっとしたら、ひょっとだと
高値を考えている人は、
やはり八月中・下旬の天候崩れの
可能性に賭けるわけだ。
取り組みは
東西合計二万三千枚まで減ったあと
三万三千枚と、
およそ一万枚増加している。
人気面は安いと売りたい、
高いと買いたい。
これは仕方がない。
ところで
この相場どのようにとらえたらよいか。
もちろん天候=作柄=人気次第だが、
筆者は強気になれない。
今月の13・14日頃までは
気を持たす動きだろうが、
そのあとが悪いはずだ。
53年の本忠崩れの相場は
二月3日天井したあと高値保合。
六月崩れで八月1日底。
V字反騰四千五百丁。
その相場が八月3日戻り天井して
九千丁下げた。
あんなふうな格好になるのではないか
と思ったりする。
だとすれば八月戻り天井で
買うだけ買わしたあと下げ場面。
ただし、今のところは
危険な細い道である。
天候一発の急変なきにしもあらずだから
決めつけられん。
従って高ければ(1)利食い専念。
(2)天候崩れによる噴き上げは
好売り場と考える。
(3)人気雷同の飛び付き買い厳禁。
このように思う。
どちらかというと筆者は、
もう強気ではない。
●編集部註
 沖で風を読み、潮の満ち引きを眺め、
そろそろ漁に出ようかと、
やおら起き上がり
船に向かう老練な漁師の言葉のようだ。
 相場の世界には、
彼岸天井、彼岸底―
という言葉があるのだが、
不思議な事に
お盆天井、お盆底という言葉はない。
アノマリーとしては弱いのだろう。
ただ、8月の中旬頃は何かと
節目をつけやすい印象があるのだが…。
 話は変わるが、
この時期西と東と
何かがくっきりと分れる印象を覚える。 
西では8月6日や9日に祈りを捧げる人が、
東では8月15日に祈りを捧げる人が多い。
SNSの隆盛で、当節その傾向が更に高まった気がする。