証券ビュー

森羅万象

相場はテンポ 気分の割りに伸びず (2018.08.28)

昭和の風林史(昭和五七年八月五日掲載分) 
相場が様子を見ています
上げ賛成人気だから
腹五分あたりで先まわりの売りが出る。
当面下も深くない。
小豆相場は気分の割りに伸びないが、
上もそうなら下も気分の割りに深くない。
安い節に商いが
比較的できる(手口が大きくなる)ところを
売っても駄目だ。
逆に反発して強く見える節で
手口が比較的大きくなったところ、
例えば多分明日(6日)あたりを
買ったりすると、あと嫌な思いをする。
これは、相場が産地の天候の推移と、
人の気持(人気)の流れ、
そして現物手持ち筋の思惑を
ナーバスに思惑しているからで、
人間様が
相場を思惑しているように見えて
実は、相場様が
人間の気持の手応えをはかっている。
確かにこれからの産地天候次第で
先限の三万二千円があるかもしれないし、
11・12限の千二百円なし
としない怖さはあるが、
左程天気が悪くなければ、
月の中頃あたりから
平年作~九分作相場の上に、
ファンダメンタルズ(需給要因)が
のしかかる。
その頃までに
芯の確りした強力な買い方が
出現すればよいが、
静岡筋あたりは、
どうも小豆の水が性に相わないようで、
あの手が買うと、なんだか嫌だ。
11・12限が27、28、29、3日と
頭が揃って罫線が格好良くないのが
気になってしょうがない。
あそこで上昇エネルギーが燃焼しては、
この相場たいしたことはない。
行くなら押しを入れてすぐ
七月12日の線に食い込まなければ、
リズムが狂う。
相場はテンポであり、リズムでもある。
要するに現物手持ち筋が、
売りたい強気であるから
売りたい水準の腹八分と言いたいが、
腹半分あたりで先回りの売りが出る。
この事は、もし、
ヘッジできる値にとどけば、
相場は、もっと上があると思わねばならん。
その辺のことを考えれば判る。
●編集部註
 確かにこの相場、もう少し上がある。
しかし、そこから
買い方は修羅の道に進む事になる。
 わかっちゃいるけど、やめられない―
という言葉は植木等主演の映画に
端を発した言葉だが、
硬軟を問わず、日本人、特に
日本の組織論に通底する病巣かも知れない。
 1967年8月に
日本のいちばん長い日
という映画が公開された。
これは
わかっちゃいるけどやめられない状況を
巡るドタバタ劇である。
これがヒットして以降、
この時期に戦争ものが公開される慣習が続いていた。 
この年の8月は、
東映が「大日本帝国
という上映時間3時間の大作を公開していた。