証券ビュー

森羅万象

戦い破れた時 決然たる姿勢示せ (2018.06.22)

昭和の風林史(昭和五七年六月九日掲載分) 
穀取は決然たる姿勢示せ
関係穀取は市場機能維持のため
決然たる姿勢が望まれる。
事態は深刻である。
今の小豆相場が異常でないと
思っている人がいるとすれば、
その人の神経が異常なので
異常神経の持ち主に
常識論を説いても
幻覚症状がきつくなるばかりで怖い。
産地の天候が非常によい。
産地相場は新甫から千円下げている。
これが正常な相場の姿である。
消費地在庫量は増大の一途なのに
逆ザヤは変だ。
規制はこれで第二次になる。
東穀、大穀が会員懇談会形式で
市場の異常事態に対処していることは、
とりもなおさず
普通でないことを物語るが、
仕手機関店は買い本尊に
この事を了解してもらう力がないのか、
それとも死なばもろともヤマト魂。
前進あるのみ特攻万歳攻撃、
あとは野となれ山となれなのか。
取引員機関店は、
経営の責任と市場遵守の責任がある。
これを放置すれば、
すでに商取業界の一員とはいえない。
玉がここまでふくらんだのでは―
というのは無責任ないいのがれだ。
玉がふくらんだら、
どうなるかは、
誰よりもよく判っているのが
仕手機関店だ。
天候勝負というが、
ポーカーゲームではない。
取引所という公共機関における
投機思惑には
戦い破れた時の責任をも
考えておくものだ。
天候はよい。
相場は
腕力でねじ伏せられているから
機能しない。
だから役所も取引所も業界も
異常だと騒ぐのである。
関係取引所は市場を
暴力的買い方仕手から守る責任がある。
すでに各市場間の
価格平準機能が破壊されている。
取引所の決然たる姿勢が望まれる。
●編集部注
 わかっちゃあいるけどやめられない―。
と、ハナ肇とクレージーキャッツ
スーダラ節」を発表したのが
1961年8月。
 この記事が世に出ている時点で
実に20年以上が経過している。
 しなかったのと出来なかったは
似て非なるもの。
晩年の風林火山は
日本の商品先物取引の
運営方法について批判を
繰り返していた。
この頃から既に批判精神は健在である。
 ここで誤解して欲しくないのは
「批判」と「悪口」は
全く違うという事。
 Aを批判する時は、
必ずAという存在を
完全に理解した上で
「こうすればいい」
「これがないのはおかしい」
「こうじゃないからダメなんだ」
とならなければいけない。
 風林火山の批判は、
批判のための批判ではなかった。
かくあるべき
というビジョンがあった。
 人は耳の痛いところを
突かれると弱い。
大人物だと取り入れるが、
小物だと退けてしまう。