待つは仁 時間が相場を食うのを待つ (2018.06.14)
昭和の風林史(昭和五七年六月一日掲載分)
時間が相場を食う段階
安値叩かず、高値煎れず。
時間が相場を食うのを待つ。
いずれご正解が出るだろう。
新ポの様子をみようと月末は閑だった。
北海道の天気は順調。
作付け面積は
三万四千㌶を上回るかもしれない。
増反、順気、発芽順調、降霜不安なし
―となれば、やはり売られる。
買い方は、安いところは積極的に買う。
弱気も敢えて安値を叩かん。
東西取り組み合計七万五千枚。
ガップリ組み合う。
場面は新甫待ちだし、材料待ち、
時間待ち、硬軟音なしの布陣。
焦ったほうが斬られる。
新甫11限のサヤは、
たいがい買ったサヤの分は
引き継ぎ線で穴埋めしている。
サヤを買えば
盛りのよい売り場になろうし、
サヤが買えなければ
旧穀限月は割高視されて売られる。
いまの相場、
売り方が流れに逆らっているのか、
買い方が流れに逆らっているのか。
一体どちらが無理をしているのか
―この事が判れば六月相場がやりやすい。
強気は、こんな安い水準で―と思う。
弱気は三万八千円や六千円は
標準にならないと見ている。
それぞれの考え方の違いに対して
相場様がご正解を示してくれる。
相場は、ひたすら待つ時もある。
待つは仁。向かうは勇。
利乗せは智といった。
五月6日、14日、25日、29日と
安値が切れ上がっている。
だからこの相場は
頑強な大底ができている
と見るのが強気。
しかし、旧穀期近を別として
九限、十限三千円が
四千円と上に行く材料もない。
それより29日安値、25日安値、
14日安値を切ってきたら、
千円の堤防が守りきれるか。
梅雨時はよく堤防が決壊するものだ。
●編集部註
昭和57年6月1日。
小豆相場の堤防が
決壊する直前の1カ月が始まる。
買い方、売り方双方が
焦れに焦れる保合い相場となる。
待つは仁―とばかりに
映画でも見るか、という話が
昭和57年6月1日に
交わされたかも知れない。
現在、全国の封切館の
入場料金は大人1800円。
それが毎月1日には1100円となる。
この割引制度が広く普及したのが
昭和56年12月1日。
「映画の日」として
今も知られるこの日、
全国の3分の2の映画館の入場料金が
半額になる。
当時は大人1400円であったので
700円となり、
観客動員数は通常の4倍、
2倍の興行収入を叩き出した。
これに気を良くした興業側は
映画会社と掛け合い、
この年の6月1日と9月1日も
入場料半額の日にすると発表した。
更にその後、元日と3月1日も
入場料半額となる。