五月十分下がる時は六月きわめて急上げなり (2018.05.10)
昭和の風林史(昭和五七年四月二十四日掲載分)
小豆は戻すところに来た
安値を突撃売りした玉は
少々嫌な思いをするだろう。
戻り十分を待って売ればよい。
大石商事の敏郎社長
『本間宗久三位の伝のにわか勉強ですよ。
おたくにもあるはず』と
乙部さんの書棚の中から抜き出してきて
『正月頃より三、四月まで
天井値段の相場、
五、六月のうち必ず下がるべし』
これです。このあとの文句がよい。
『五月十分下がる時は
六月きわめて急上げなり』―どうです。
23日の朝寄りは
小豆売り建のT社が利食いを入れていた。
生糸戦線に
兵力を移動させなければならない。
T社といえば、
堺支店のセールスマンが
金売り訪問先で傷
害現行犯で堺北署に逮捕された(22日)。
強引なセールスで一一〇番され、
玄関先であばれた。
小豆のほうは、
きつい下げも
本日24日で一応終わると思う。
筆者のトレンドは
目先の下限にとどいた。
従って戻るところである。
各限月とも週間棒の長い長い陰線は、
仕手崩れがない限り、
来週あたり急反発するか、
週末たくしあげる。
今週の気崩れは、窓二ツあけている。
酒田五法は
三山、三川、三空、三兵、三法。
三空叩き込みは埋める。
窓からローマは見えないが、
三ツ目の窓は御用心。
三位の伝
『二ツ仕舞、三ツ十分、四ツ転ず』
とある。
では風林は強気に転換したのか?
と必らず電話がかかってくる。
『五月中旬より六月中の相場は
急に引上ぐる時、
また急に引下がるものなり。
急に下げる時上も同断』。
強気にはならない。
大勢は春天井→青田底。
ただ、今月の下げ幅配給分は、
こんなものだとみる。
二千五百円の
三千八百円圏内での小高下。
弱気が有頂天で喜びだしたから
少々あぶないと思うだけ。
●編集部註
相場とは全く関係ないが、
この時の風林火山は
よほど『窓からローマが見える』に
魅せられていたのだと思ってしまう。
1982年のこの頃に
日本で上映されている映画を調べてみた。
まだこの頃は
東映が東映まんがまつりをやっている。
昔は学校が休みの頃に東宝と東映が
アニメや特撮ヒーローものを集めた
特別上映プログラムを組んでいた。
東宝は78年に止めている。
4月は
『窓からローマが見える』以外に
東宝系で「刑事物語」の
一作目が公開されている。
金八先生役で
人口に膾炙した武田鉄矢が、
ハンガーを武器に
悪漢をなぎ倒す刑事役で
活躍する娯楽作品で
1987年までに全5作公開された。
シリーズの中で
沢口靖子や鈴木保奈美が
銀幕デビューを飾っている。