証券ビュー

森羅万象

引き潮 逆らえば労も多く流される (2018.04.23)

昭和の風林史(昭和五七年四月九日掲載分)
小戻すところ売りの急所
買い方の夢は消えた。
私の四月、五月は暗かったという事になる。
下値は深かろう。
小豆相場は
四千円あたりまで下げてどうするかである。
本当の崩れは五月中旬以後からと
日柄及び俵の重圧を読んでいる人もいる。
そして六月崩しの劇的場面を予言する。
相場の現実はそれよりテンポが速く、
売るのが怖けりゃ
お先にご免と下げ足速める。
売って引かされ、
売って引かされ今の買い方には
嫌というほど苦労させられたから、
誰もが用心する。
しかし環境とみに買い方に離反。
これは日柄のなせるわざ。
まして高値に突っ張ったその反動だ。
やみくもに買えばよいというものでない。
相場には波動というものがある。
上げ潮に乗った時の買い方は、
さながら無人の荒野を行く如くだが、
引き潮に逆らえば、
あたら労多くしてしかも流される。
大勢基調は明らかに三段上げ完了して
例年通り春の天井をマークしている。
強気は二段上げのアタマ、
二月10日の高値を
三段上げ波動で抜くと見ていた。
しかし相場は
実勢悪というファンダメンタルズで
二段上げの頭に遠く及ばず
三段上げを作法通り完了して
すかさず反転してきた現実は、
これは押し目などというものでない。
この下げを
押し目だ、押し目だという人は
相場用語を知らない人か、
腹の中では崩れと思っていても、
それがいえない立場にあるか、
それとも本心、
押し目とみているのかである。
まあ相場そのものの流れを見るより
買い方大手の顔色見て
強弱垂れる人が多いから、
買い方反撃するだろうという
他人頼りの相場観になっても仕方ない。
ともあれ悪い相場は悪い。
戻したらどうなる? 
戻したら更に悪くなることは確かだ。
米の値段も崩れる時に
小豆だけ野中の一本杉であるはずがない。
夜が明けたら安い日が続こう。
●編集部註
 ゴリゴリの買い方は、往々にして
下がる理由が本当に解っていない、
というより、
理解したくない心理が働く傾向がある。
 実際、ある銘柄に対して
〝なんでこの相場がいま下がっているのか
よく解らない〟と
筆者に正直に吐露するトレーダがいた。
相場を張るのが仕事故
休むわけにもいかない。 
 ただ、このように相場と対峙して
素直な気持ちが吐露出来る人は
〝解る〟時に
ガンガン攻めの姿勢を取って儲けるので、
トータルでは勝っている。
人徳とでもいうのだろうか。