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森羅万象

春なだれ警戒警報 強気の余韻 (2018.03.06)

昭和の風林史(昭和五七年二月十六日掲載分) 
春暖の候なだれ警戒警報
買い方が徐々にシビレてくるだろう。
将棋でいえば
指し過ぎのとがめのようなもの。
敢えて売るという人は少ない。
むしろ押し目を買いたい人の多い小豆相場で
強気の余韻がまだ市場を支配している。
買い方が買い煽ればいうことをきく―
と思っている。
一時的には、そうかもしれないが、
流れは徐々に変わっている。
先限(大阪)の四千六百円=四百円あたりが、
押し目の限度とする見方が常識になっていた。
今の下げを押し目と読んでいる人にとっては、
そのあたり確かに急所だ。
しかし、春相場の天井とみるなら
生糸が去年二月5日、今年二月8日。
乾繭は去年二月10日、今年二月3日。
小豆は去年二月24日、今年二月10日―となる。
去年二月24日は
三万二千六百円台の低い水準だったが、
三万円割れの二千九百丁を下げ三月9日底。
強気は、
せいぜい千五百丁~二千丁の押しだろうと
たかをくくっている。
しかし、この相場は買い方の自壊作用で、
場合によると三千丁崩しにつながる。
上げ幅の半値の四千四百円ラインを割ると、
筆者のトレンドは
三千八百円を取りにいくことになる。
台湾が
日本の消費物資五百九十品目全面輸入禁止―は
対日貿易赤字に対する強硬措置で、
日本の対応次第では
更に厳しい第二段の輸入禁止もあり得る―と。
小豆の自由化は、
とんでもないところに伏兵がいた。
輸入禁止された業界は、
政治の力を使うだろう。
小豆ぐらい
台湾からどんどん買ったらどうか―と。
外貨を使わず
逆に定期を買うような三品を
外割ホルダーから除外すべきだ
という声が高まっている。
●編集部註
 後々チャートで振り返ると、
この時点で当時の主力商品であった小豆相場は、
長期相場サイクルの2番天井をつけていた。
現在の主力商品である金の上場はこの年だが、
あと一カ月先の話である。
 株式市場も日経平均株価が
8000円の壁に挟まれて下降を開始した。
この壁が破られるのは
翌83年の春まで待たなければならない。
 世情は未曽有のホテル火災と
心を患った機長が逆噴射して
東京湾に突っ込んだニュースで
持ち切りになっている。
 全体的に重く、暗く、閉塞感が漂っている。
 明るい話はないのかなと
色々な年表をひろげてみると、
この月にタイガースが復活していた。
野球ではなく、GSのタイガースである。
 そういえば、ザ・ベストテンで
彼らが歌っていた事を思い出した。