証券ビュー

森羅万象

押すほどに 先の楽しみ増す (2018.02.01)

昭和の風林史(昭和五七年一月二十三日掲載分)
下げたほうが判りやすい
北京商談ではなく東京商談になるそうだ。
相場は押すほど先に行って楽しみがふえる。
納会接近に伴って小豆期近限月は
(1)芯のある受け手不在
(2)台湾小豆の一月大量入荷
(3)一月末消費地在庫増
(4)中国小豆値下げ機運等
嫌気して焦げついていた相場が気崩れした。
しかし期近限月の続落にもかかわらず
期先限月は底堅い。
本当は、期先限月も、このあたりで
三千円を割る下げに入ったほうが
商いにも弾みがついて、
先行きの小豆相場に妙味が出てくるのだが。
台湾小豆の大量入荷という事は、
これは十分に予想されていたことで
別にあわてる現象ではない。
まして品物が大納言なみによいのだから
定期に渡ってくるものは
受け手殺到かもしれない。
一月に七千㌧ないし一万㌧の入荷なら、
二月の入荷は急減するだろう。
北海道小豆が五万円台で、
さらに先行き価格上昇が予想されている。
幾ら高くても、
北海道小豆を必要とするところは
必要なのである。
ところで取引員自己玉の買いが
目に見えて急増している。
裏返していえば、
お客に売られている取り組みである。
自己玉は、おおむね儲かっていない
という傾向が続いている。
ということは、マバラ大衆筋、
決して相場の素人でない証拠。
一般的に、
納会をみたあとの相場は高いだろうという。
渡し物の数量が判り、
受け方の顔ぶれをみて逆
ザヤがどこまで解消するのか。
その時の先限の下値は多分買い場になろう―と。
考え方としてはそれでよいと思う。
月々五千㌧の輸入があって
需給のバランスがとれるのだから、
輸入で安いところは買いであり、
期近が崩れるということは、
逆ザヤで突っ張っていたのだから
これは仕方ない。
あとは、人気が弱くなるのを待つだけ。
●編集部註
 現在の大衆の買い方は
もっと現受けを活用すれば良いのになぁ、
と思う時がある。
対面の営業マンは教えてくれないのだろうか。
いや、コンプライアンスの世の中である。
説明していない筈がない。
恐らく手数料がべらぼうに安いネットでの
取引が主流になっているためなのかも知れない。
 小豆は放置すると劣化するが、
貴金属は放置しても腐らない。
現受けすると
すぐ自宅に現物が届くわけではない。
倉荷証券が貰える。
更にこれは充用有価証券として
先物取引に使用出来る。
現物を持つプレーヤーは強いと
相場が決まっている。
東京金がグラムで2000円以下であった頃。
先物で買い現物で受けろと営業していた。
全部受ける必要はない。
受ける分以外決済し、
それを現受け購入代金に回せと。
 ただそうすると手数料が取れない。
おかげで会社から嫌われたが、
その会社はもう存在しない。