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森羅万象

「裏口の隣り合せやちちろ鳴く」 恒明 (2017.08.24)

昭和の風林史(昭和五四年八月二十日掲載分) 
高温も峠越し 秋は駆け足で来る
今週は今までとは違った動きの小豆相場になりそうに思える。
天気が崩れたらS高もあろう。
「裏口の隣り合せやちちろ鳴く 恒明」 
台風10号の進路を意識している相場だった。
北海道に上陸する、しないは別として
台風が通り過ぎると、めっきり秋らしくなる。
産地の高温も峠を越して、
もう今までのようなことはないだろう。
相場が、これといった動きのなかった前週だが、
東西の取組みはジリ、ジリとふえている。
月初め六万四千枚だった総取組み(東西合計)が
七万七千枚に達しようとしている。
名古屋を加えると三市場で九万二千七百枚。
今月新ポの三市場合計が七万七千二百枚だった。
この事は、先限で七千円を中心に、
12月限で六千円を中心に買った人、
売った人が多いという事になる。
安値で買った玉は、上昇過程で、あらかた利食いして、
玉は回転し、そして高水準にきて、
買い玉を拡げ、
それらの玉が千円ばかり引かされたところ。
安値での売り玉は、踏むものは踏み、
辛抱するものは辛抱している。
そして、あらたに高値を売った。
相場が上昇しながら取組みが増大していく場合は、
その相場は、更に上昇を続けるものである。
相場が安くなりながら取組みが増大する場合、
その相場の下げは終りに近づき再び上昇に転ずるものだ。
今の場合、きっかけがあれば、
売りハナが買い気を呼び、
発作(ほっさ)のように売りハナが、
みるみるうちに大きくなる可能性を秘めている。
線型では各限とも7日の陰線と
8日の寄り値のあいだに出来ている空間窓、
これを買い埋める場面になれば、
10限の五千円抜け。11・12限の七千円抜け。
1限の八千円台疾走は、
約束されたようなものかもしれない。
先限引き継ぎ線で三分の一押しが入らない。
という事は、相場が突張っているわけで、
あれだけ産地の気温が上昇したにもかかわらず、
崩れないという事は、この相場なにかがある。
その、なにかとはなにか。
目に見えない強力な買いの手が
入っているのかもしれない。
あるいは小豆の不作を
小豆相場が先知しているのかもしれない。
下げる時はジリジリだが、反発する時は、
ポーンと高いという動きも見逃すわけにはいかない。
●編集部註
連日の下げでさすがに筆致も揺らいでいる。
こういう時、気を持たせるように
気迷い保合い相場が始まる。
相場も迷うが、相場を張る側も迷う。
そして迷った時は、
大抵巧く終わった試しがない(個人の感想です)。