証券ビュー

森羅万象

相場の信号 出直り相場どこまで (2017.07.13)

昭和の風林史(昭和五四年七月五日掲載分)
安値売り過ぎ 出直りの若い相場
三千丁をストレートにいくか、
押したりしながらいくつかの違い。
底入れ→出直りの若い相場だ。
「川上は茂りに暗し河鹿鳴く 月斗」
相場は、どのように悪い材料が言われても、
下げるだけ下げてしまうと止まるものである事を、
今の小豆が示している。
不思議なもので、底が入ると、
誰が買うでもなしの相場でさえ、反発し、
おいおいと好材料が湧くように出てくる。
線だけで今の小豆相場を論ずれば、
三千丁高は自然の理になる。
もう少し日柄が必要だ―という論もある。
あるいは、戻りに限度があって、
戻り売りでよいと見ている人も多い。
しかし、人々が期待したり、想定しているふうには、
なかなかいかない。
底が入った相場なら戻りではなく、出直りである。
底が入ったと判断するのは、下げ方がきつかったこと。
いわゆる値幅の整理が出来たことと、
二月16日天井からの日柄が充分であること。
そして、買い玉の整理が進み、
安値をドンと売ったという内部要因。
それらの現象から、底が入ったと判断する。
では、出直り相場がどこまで行くか。
それは判らない。判らないけれど、
安値から三千丁は高くなってもおかしくない。
いや、あるだろう。
三千丁を一本棒でいくか、
押し目を浅く入れたりしながらいくか、
それは市場人気の気分次第であろう。
安値を叩いた人は、W底を期待する。
もう一度安いところが欲しいのは、
そのあたりでドテン買いのポジションに転換したい。
ところが相場というものは、
なかなか意地悪にできていて、
期待通りに動いてくれない。
確かに、いま市場で言われている材料からすれば、
戻り売りの相場になろうが、
その材料にはもう抵抗力が出来ている。
そしてこれから先に予測しない強い材料が出現すると、
市場は、まったく無防備、免疫性がないから
その時は、そのショックでストップ高にもなり、
売り玉が場勘で攻められ、これが踏まざるを得ない―という、
今の段階では誰も考えてもいないようなことが起る。
そのような展開を、する可能性が強いということを
今の相場が暗示している。盛んにシグナルを送っている。
そのシグナルを素直に受け止めることのできる人と、
相場の信号が判らない人と、
そこに強弱の違いが出てくる。
●編集部註
 相場に関係ない話だが、
その後の生活様式を変える商品がこの頃生まれた。
ソニーのウォークマンだ。
 CD、MD、MP3と
メディア媒体はいろいろ変わっていったが、
この商品が世に出るまで「
自由に音楽を持ち歩く」という概念はなかった。