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森羅万象

「豌豆の手枯れ竹に親すずめ」 蛇笏 (2017.06.01)

昭和の風林史(昭和五十年五月二二日掲載分)
手亡売り続行 判りやすい相場
手亡相場に対し強気がふえているが、
手亡相場に買いはない。売り一貫。
買うなら小豆の悪目だ。
「豌豆の手枯れ竹に親すずめ 蛇笏」
北海道の天気が、どうも不順で、
早くも小豆相場に思惑の手がのびてきた。
五月9日と15日、この二点を安値にしての反騰は、
小豆相場の先行きを暗示しているように思う。
冷静な見方をする人は、まだ本格的でない。
七千円ラインを中心にした逆張り相場―と見ているが、
それでも作付け面積の減反傾向と、
不順な気象を警戒して
逆張りながら突っ込み買いの姿勢である。
小豆の線型としては(大阪)先限の七千七百円。
これは九月限が先限時代に
寄り付きでつけた急所の節(ふし)であるが、
十月限が七百円を買い切ってしまうと相場が面白くなる。
先限引き継ぎ足で、(大阪)二月6日、三月10日、
四月7日、五月6日―と七千五~七百円どころが
なんとも抵抗が強くて、
このあたりはホクレンの売りの地雷原みたいになっている。
この危険地帯を突破してしまえば
十二月18日につけた安値一万六千十円。
三月20日の安値六千百八十円。
五月9日の安値六千二百二十円の三ツの安値が
非常に安定した三本足の大底になる。
五月も中旬も過ぎ、間もなく納会を迎え、
そして十一月限登場の六月は荒れるといわれる二日新ポ。
市場人気も徐々に小豆に関心を集めよう。
一方、手亡相場のほうは、
これはやはり買われた地点は絶好の買い場になる。
大衆は買って買ってあの長道中の大下げに
塗炭の苦しみをなめてきて、
遂に五月9日の安値を投げ、投げ余した(ドテン売り)。
そういう事から相場は人気の裏が出て反発したが、
千円ほどの戻しで安値を売り込んだ大衆は
動揺して踏みも出ている。
だが、手亡相場は、
仮りに北海道の天候が悪かろうと、大幅減反であろうと、
ピービーンズという持ち下げならない豆が
ウズを巻く以上、手亡の相場でないという事を
重ね重ね認識しておかなければならない。
手亡相場は売り一貫でよい。
六月二日新ポに登場する十一月限も、
もちろん売り対象の限月である。
小豆買いの手亡売り。この投機パターンは当分続くであろう。
●編集部註
○○買いの××売りには魔力がある。
一見有効な手段に見えて、実際有効なのだが、
退屈という弱点がある。
放置しておけば良いものを、
無駄に動かして破綻するパターンがある。
【昭和五十年五月二一日小豆十月限大阪一万七一六〇円・一〇〇円安/東京一万七一七〇円・七〇円安】