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森羅万象

「山寺の金箔くらし夕さくら」 飄亭 (2017.04.24)

昭和の風林史(昭和五十年四月十七日掲載分) 
小豆も弱気だ 納会にかけ低落
手亡は崩れ落ちる運命。小豆も今月納会は悪い。
黒い五月を前にして小豆軟化。手亡低落だ。
「山寺の金箔くらし夕さくら 飄亭」
気の付かれている人も多いと思うが、
小豆相場のケイ線が少しずつ変化している。
それは小豆相場が変化していると言ってよいだろう。
どう変化しているかというと、
天底は放れて寄った寄り付き値。
騰げ続けたあと夜放れして陰線引け。
これの見本は昨年七月26日の
一万九千八百四十円(大阪)夜放れ高の寄り付き
→陰線引けだ。
近いところでは四月七7日の七千七百円(大阪)の
夜放れ高寄り→陰線引けが戻り頭になっているし、
この逆が三月20日の
六千百八十円(大阪)夜放れ安寄り→強烈陽線引け。
この線が下げ相場の底をした。
少し前では二月6日の七千六百三十円夜放れ寄りからの
陰線引けが頭だし、
昨年十二月18日の六千十円夜放れ寄り
→陽線引け値が底をしている。
小豆ケイ線の天底が昔と違ってきているということは
小豆相場そのものが変化していることで、
これは、だいぶ前から言われているが、
本当なら、買い乗せていく急所が逆に買い玉利食い、
ドテン売り場になる。
反対に、本当なら売りあびせの叩き場が、
買い玉利食いの仕込み場になっている。
なぜ、こういうふうに変化しているのだろうか。
大きく見てもちあい相場だから。
小豆の取り組みが薄いからだ。
大衆不在。クロウトばかりの場だから、手が早い。
燃えない。冷静。上下とも値段に限界があるため。
いろいろ考えられるがやはり小豆相場は大衆不在。
クロウトばかりの相場になっているためだと思う。
真剣の勝負でも
芝居やテレビでやっているようなものでなく、
瞬間だという。
剣客と、そうでない人との闘いは自ら違うだろうし、
西部劇などに出てくるガン・マンの早打ちにしても
ガンのプロは抜く手も見せぬ一発である。
小豆相場も大衆が参加して熱狂している時と
プロばかりの相場とは、
やはり値の動きからして違ってくる。
大取り組みの手亡相場と、
動き方が違うところを味わってみたい。
小豆は安いだろう。時間がかかる。
手亡も弱いだろう。一万一千円を割る。
●編集部注
 相場の怖い所は
直近の相場パターンが必ずしも通用しないという点だ。
 決め打ちは火傷する。
【昭和五十年四月十六日小豆九月限
大阪一万七三一〇円・一〇円安
/東京一万七二八〇円・七〇円安】