昭和の風林史(昭和五十年三月十七日掲載分)
手亡崩れ必至 癌症状悪化する
手亡は暴落含みだ。ピービーンズが癌になっている。
今から売っても充分に間に合う。
「春深し杉菜の果は水の中 竜男」
ピービーンズの安い契約が出来るたびに
手亡相場はガタガタ下げる。
大きな取り組みの中の
僅かな存在といわれるピービーンズだが、
これは手亡相場の癌みたいなもので
日が経つのに伴って命取りになる。
12㌦25㌣とか11㌦85㌣という値段は
定期格差二千五百円をつけても
一万一千円以下のもので、
六月入荷、七、八月限つなぎとしても、
一俵当たり二千円は儲かるし、
これを材料に相場を叩いて投げを誘うことも出来る。
大衆買いによる大きな取り組みが、
音をたてて崩れだせば手亡の相場癖で
ストップ安の追い落としになりかねず、
こうなると先限の下値一万三千円割れから
利食いによる戻りを新規に売っても
値幅は充分に取れる勘定になる。
手亡が崩れると小豆にも響いてくる。
小豆と手亡の状況は違うが、
手亡が千円崩れたら小豆三百円。
手亡が二千円安なら小豆七百円。
やはり心理的な影響はまぬかれない。
まして一九七五年産からのピービーンズ格差を
現行二千五百円から四千円にしようという事になれば、
いよいよ七四年産ピービーンズの捨て場に重圧が加わる。
さらに来期ワクでかなりの量が契約される予想もあるため、
へたすると来月新ポ生まれる手亡の九月限、
そして十月限など逆ザヤに叩かれる可能性が濃い。
こうなると今の取り組みはすべて高値取り組みになり、
先限一万一千五百円。
いずれ将来全限月一万円台の相場さえ予想される。
すでに先限一代棒は千円棒を叩き込んだ。
そして週間棒を見ると昨年暮れ12月18日の
安値一万二千七百七十円(大阪)を割ってくるようなら、
そこからのS安三連発分の下値を考えなければならない。
昨年は三月から四月にかけて、これまた三千円弱を崩した。
二度ある事は三度あるという。
今年も二月24日の頭一万四千八百円から
三千丁弱の崩れなら一万一千円台の相場である。
手は今から売っても間に合うような無気味な崩壊をただよわせた。
●編集部注
この当時と現在の大きな違いを感じる時がある。
有名大学の校門前に行くと判る。
今はアジテーション看板がない。
これを書いていた過激派間での内ゲバ事件が
この年の三月に起きている。
【昭和五十年三月十四日小豆八月限
大阪一万七二〇〇円・六〇円安/
東京一万七二九〇円・三〇円高】