証券ビュー

森羅万象

厳然売り方針 急反騰を狙え!! (2015.08.17)

昭和の風林史(昭和四八年八月九日掲載分)

小豆は戻しては下げ、戻しては崩れる格好。
もう相場に力はない。
特攻的買いが入れば成り行き売り。

「初秋の雲遠近や信濃川 虚子」

小豆相場が本格的に戻すとしても
崩れるにしても、結局は
規制が緩和されてからになるだろう。

いまのところ、急落しても、
いつまた逆襲で切り返してくるか判らない。

市場が大幅の増証と、厳しい建て玉規制で
〝いびつ〟になっているため、
煽りをかける陽動は、今まで見てきたように、
買い方の采配一ツで、どうにでもなる。

しかし、相場の実態を遠くから冷ややかに眺めていると、
この相場①もう以前のような力はない
②八千円~九千円台の買い玉が因果になっている
③安値の売り玉は、ほとんど踏んでしまった
④日柄の重みがずっしりと、のしかかっている
⑤支えとなる支柱もギシギシいいだした
⑥買い方に味方する材料は聞きあいた
⑦そして、相場は、あくまで相場である
―という事が、ぼつぼつ判然としてきたのである。

筆者は、規制が緩和されたら暴落すると思う。
七千円台を仮に
買い方の手で付けるような場面がこの先にあれば、
絶好の売り場になるだろう。

下値目標一万三千円ないし一万二千五百円。

新穀の収穫期にかけて
恐らくそういう値段がつくだろう。

強気は材料に事欠くと
来年の減反と天候とを言う。
来年の事を言うと鬼が笑うのであるが、
当面、これという材料がないから仕方がない。

在庫を無視してきたとがめ。
作柄と作付け面積を無視してきた反動。
そして高値圏内での嫌になるほどの波乱。
人気はその間に離れてしまった。

すでに手亡は誰も相手にしない。
大衆から無視された相場は、みじめである。
どんなに動こうと人は近寄らない。
勝手にするがよい―と見放してしまう。

小豆もその傾向がある。
馬鹿馬鹿しくて相場などやれるかい―というわけだ。

しかし、古今東西、
どのような相場でも結局は自然に戻る。

今の小豆でも二万円などは夢の夢。
一万九千円も無理。
一万八千円など付ければ絶好の売り場。
一万七千円だって頼りない。
まあ一万五千五百円以下の水準までは
戻しては下げ、戻しては下げになろう。

●編集部注
ロジックを積み重ね、
戦略が決まった。
あとは動くのみと言った処か。
 
話変わって、
先月まで日本経済新聞の連載「私の履歴書」には
浅岡ルリ子が登場していた。
 
彼女の当たり役
「男はつらいよ」のリリーは、
この記事の前週八月四日に公開された
「寅次郎忘れな草」で初登場する。

【昭和四八年八月八日小豆一月限大阪一万六五五〇円・四一〇円安/東京一万六六六〇円・二七〇円安】