証券ビュー

森羅万象

暴落がある!! 時間の問題なり (2015.05.28)

昭和の風林史(昭和四八年五月二十四日掲載分)

小豆相場は暴落型である。
かなりきつい下げが入るだろう。
産地の低温だけでもっている格好だ。
筒鳥のもの憂き声や旅も倦み 悌二郎」

低温からきている相場である。
産地の気温が上がらないため
異常気象を人々は深く刻み込んだ。
大阪でもこの一両日肌寒さを感じさせた。
ところで相場のほうは強く見えるが、
一応の限界に達している。
日柄の面でも四月14日から日足で31本を数える。
売り方の踏みも出た。
高値でかなり買いついた。
値段としては一万四百円から四割高に当たる。
現在の低温は、充分に買いきった相場である。
従って産地の温度が上昇してくると、
この相場は支えを失って暴落する。
もし、今の水準を維持して
六月上旬の発芽時期の低温、降霜を待つ
という相場つきになれば、
その時は六千円相場も可能であろうが、
見ていると①高値警戒人気が強い
②煎れが出ているため
五千円台は買い方の買いによって上げざるをえない
③高値買いの玉が利食いに向かうため上伸力は鈍る
④異常天候を織り込む⑤規制強化を警戒する
―など、チェックしなければならぬ要因も目立ってこよう。
低温続きと押し目買い人気と
買い方主力の巧妙な作戦によって、
押し目待ちに押し目なしの相場になっているが、
低温を眺めカラ売りは怖いという総強気になると、
逆にこの相場は
深い崩れが待ち受けることになるのだ。
現物が欲しくて買っている人は少ない。
ほとんどの人が逆ザヤ狙いだ。
冷害だ、凶作だ―と買い気が湧いたあとは、
ちょっとしたキッカケで利食い売りの反落が
一波が万波を呼んで大樹の倒れるが如く
崩れだすものである。
線型も暴落線が出現している。
作付け面積の増反。
天候の回復。
不需要期入り。
在庫量の見直し。
相場の強い時はなんとも感じないが、
ひとたび反落に転ずれば、
それらが大きく見えるのだ。
四十六年の二万円相場の時も
五月十九日から千五百円を崩している。
あの時も一万五千五百円から下げた。
どのような大相場でも
一本棒で節(ふし)なしでは勢いが続くものでない。
北海道先限も、東京、大阪、名古屋各先限も
無気味な暴落線が刻まれた。
高値買いつきは危険である。
●編集部註
 この時の相場は
GAP(マド)にまみれている。
 踏んだり投げたりすると
相場はマドを空けやすく、
ごりごりの強気筋も躊躇する相場になった。
 異常相場はまだ先だ。
【昭和四八年五月二三日小豆十月限大阪一万五〇〇〇円・二四〇円高/東京一万四九二〇円・二三〇円高】