昭和の風林史 (昭和四七年十月三日掲載分) (2014.10.07)
押し目買い!! 小豆も出戻りへ
小豆も底を入れて出直り波動に乗った。
買いが面白い。
手亡も押し目を拾っておけば儲かる。
「焼栗やまた近くなる雨の音 幹彦」
商品相場はブームである。
なにもかも熱狂している。
穀物とゴムぐらいであろうか、静かな相場は。
しかしそのゴムが見直し買いで、
ひと相場つくりそうだ。
大底を這ったあとの放れだけに上値が大きい。
どうやら小豆相場も格好がついてきた。
下期雑豆の輸入割り当てをしないという足立農林大臣の発言が、
ナベ底を這っていた小豆のケイ線を棒に立て、
これがキッチリと買い線になって商いが弾む。
ものは言いよう、考えよう。
いま先に建っている三月限が前に回る時分は
先限で天災期限月が商いされている。
だから場面は、半ば天候相場だと、
先の先に思いをはせる。
相場さえ動けば理屈はなんとでもつく。
さて、この小豆、買いにくいようだが買いである。
買いにくいのは①豊作だった②出回り期にはいる
③輸入小豆の在庫が豊富という供給圧迫感が誰の頭にもある。
だが、次のように考えることも出来よう。
①大底入れした②灰汁抜けである
③売られながら高いという出直り初期の相場
④安値売り込み玉のイレが出る。
とにかく大底のはいった相場は怖い。
それは理屈ではない。高いから売る。
売るから高い―が、高いから買う、
買うから飛ぶという激しい流れになる。
手亡はどうか。
見たところ七千円乗せは頭つかえで、
ひと山つくり、あと安いのではないか。
そう思わせる線型だが。
押し目をいれて、次の上昇波動を待つ格好で、
決して弱気しても取れる相場ではない。
三百円押しが入って、
存外下値が堅いということになれば、
七千二百円抜けから七千五百円は
人気一本で行ってしまう相場である。
手亡の六千五百円という値段が安すぎた。
売られすぎの行き過ぎである。
その訂正高が七千円相場となって、
あと(現在)押し目をつくり、
次なる材料待ちという段取り。
だから、手亡の押し目は
コツコツと拾っておけばよい。ものになる。
特に年末ギリギリの十二月限。
あるいは一月限あたりは買い占め用の限月として、
常に取り組みに注意する必要がある。
案外油断していると、計画的に玉が仕込まれるものだ。
●編集部注
イメージは恐ろしい。
株式は「ひと山当てた」と
ポジティブに語られる事もある。
しかし商品は
「手を出した」とネガティブに語られる事が多い。
どうしてこうなった。
【昭和四七年十月三日小豆三月限大阪八四六〇円・三〇〇円高/東京八五〇〇円・三一〇円高】