昭和の風林史 (昭和四七年七月五日掲載分) (2014.07.10)
再び買い方針 千丁高がある!!
売っても売っても下がらなくなると大底。
先二本は買いで勝負。積極的な強気でもよろしい。
「地にちかく青ほゝづきのふくろかな 恒郎」
海員組合のストが解除になれば、
この相場、それを材料に売られるところがあるかもしれない。
しかしその下げは、
一時的なものになるそうに思う。
下げても瞬間的である。
北海道のお天気が、ここのところ、もうひとつ感心しない。
作柄も〝やや不良〟ということで、気になる。
五月中が、よすぎてその〝貯金〟を食い潰している格好だ。
この先、低温や雨が続くと、敏感に相場が反応を示すように思う。
だいたい、下値にとどいた相場である。
悪材料の殆どを織り込んだ。
たとえて言えば、和食、洋食、中華の料理をタラ腹たべたあと、
さあ飲め、それ飲めとビールの栓を抜かれても、
のどを通らない。
ビールを飲むなら料理をたべる前か、
たべている時に出してくれなければ幾ら好きでも飲めませんよ。
それと同じで、悪材料という悪材料は、
すべて出尽くし、
先に行っての遠いむこうの売り材料まで相場は織り込んだ。
従って、いま、どのような売り材料が出ても相場は受け付けない。
怖いのは、その逆の現象である。
作にキズがつくとか、
気温がちっとものぼらないとか。
この場合は敏感であると思う。
聞けば阿波座筋は安値を叩いた。
バッチリと、ドつぼにはまった。
お手々がよろしくない近ごろの巧者筋である。
叩かれて、また叩かれての買い方は、
打たれてばかりの半生であった。
天がこれに味方すれば、いままでのウップンもあり、
韋駄天走りである。韋駄天は買い方守護の神。
ひとつこれから小豆を買って苦労してみるか。
そういう考えで強気をすると、
案外スイスイといくもので、
買い玉、期待に反して利が乗ったりするものだ。
ともかく逆ザヤ傾向になったことが気になるのと、
弱気がまったくふえたものである。
こうも弱気が多くては、下げるべき相場も下がらない。
安値を売った売り玉は、どうすればよいか。
両建てにして、高値で買いを利食い、
ナンピンかけて、次の下げで逃げる。
やって出来ない事はない。
相場は、目先軟弱でも、必ず反騰して高くなるだろう。
そして高いあとはまた下げる。
だがその下げは押し目であるから浅いのである。
相場は買いだ。
●編集部注
やって出来ない事はないが、
やらないに越した事はない。
でも、ついやってしまうのが相場だ。
【昭和四七年七月四日小豆十二月限大阪一万〇四九〇円・二〇円安/東京一万〇四五〇円・四〇円安】