証券ビュー

森羅万象

鈍と根の問題 06月07日 (2013.06.07)

相場格言は自戒の言葉。

判っていても、なかなか出来ぬ事柄が、

箴言、金言、格言となっていく。

最もよい復讐法は、自分まで同じ行為をしないこと」と

マルクス・アウレリウスは『自省録』の中で書いた。

上にいけない、下にいけない。

そんな相場に動くまで、

何食わぬ顔で待つことが出来れば、それは名人の域である。

相場に大事なのは運、鈍、根である。

しかし、運は己の力ではどうしようもない。

運は、気まぐれにやってきては、

突然逃げ出すものである。

幸運の女神様には後ろ髪がない、

と将棋の米長邦雄さんが言っておられた。

あとで存在に気付いて、

追いかけても、つかむことができない。

ナポレオンは、戦略を練るとき、

常に、運が味方しない事を前提に、作戦を考えたという。

鈍は、目先の動きに目もくれず、どっしり構えろということ。

一旦相場が動き出せば、ゆっくり付いて行く。

利食い焦らず、値動きや、材料に振り回されることなく、

日柄だけを見ておく。

物事に動じない肝の太さ、胆力が、利食いの大きさを左右する。

あとは、根気が続くかどうかの問題だ。

今の金相場は、安値を更新するまで、ジッと耐えているか、

根が続かなければ、

買い玉投げてジッと見ているだけが良いかもしれない。

ドル円相場は、円高基調。

これは国内商品には厳しいものがある。

ゴムは、4月安値を切れば買い玉を諦め、

次のチャンスを探す。

白金は、4750円陰線棒で下抜ければ、

逃げる用意をしておく。