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紫玉庵

TPP考(下)   10月31日    紫玉庵 (2011.10.29)

ハードの背景にあるソフト

誠実でありたい70億人との連携

 

農業は国内問題の典型ですが、

このままではTPPに参加する・しないにかかわらず、

衰退してしまいます。

農業分野の立て直しは

20~30年という期間にわたって

議論されていますが、

状況は悪くなるばかりです。

TPPで問題となっている農業以外の

分野はどうでしょうか。

社会保障の分野はどうでしょうか。

医療制度は高齢化と人口減少で崩壊寸前です。

あと100年間大丈夫と言われた年金制度は

どうでしょうか。

言うまでもありません、

TPPに関係なく、国民が真剣に

議論してこなければならなかった国内問題です。

TPPに参加する・しないにかかわらず

日本の制度は既に疲弊し崩壊寸前で、

何らか抜本的

あるいは部分的な革命が必要です。

逆に米国のオバマ政権は

日本と同じ皆保険制度を

導入しようとしています。

世界に先駆けて高齢化が進む日本で、

しっかり制度を再構築出来れば、

その体験・知恵は、

米国のみならず

世界の見本ともなることが出来るかもしれません。

 

 

実は、

これまでの磨き上げたハードおよびソフトによって、

世界中を主導できる国に変われるのではないか、

と考えているのです。

前提になっているのは、

世界が劇的に変わりつつある、という理解です。

人間を、無気力・無思考の奴隷に飼いならしたり、

強引に人口を減らすことなどはできなくなった、

という事実です。

異論も多いと思いますが、

間違いなく、人類は、

新しい局面に突入しようとしています。

今、何が進行しているのか、

事実を踏まえたいと思います。

「ウォール街を占拠せよ」に、

世界中の人間が、共感している背景を考えてみましょう。

米国、中国やその他の国にも、

誠実でありたいと、多くの仲間がいることを信じ、

連携を探るべきと考えます。

今まで日本は自ら考えを

世界の人たちに積極的に語ることを

してきませんでした。

日本的な“美徳”と考えられていた

という側面もあるでしょう。

工業製品を売り込むことに積極的で、

米国やそれ以外の国から

脅威ととらえられることもありました。

ハードの後ろにいる人が見えないのですから、

しょうがない面もあったでしょう。

しかし、日本が培ってきたハードの背景にある

ソフトが少ずつ評価されています。

それが世界で求められるものもあるはずです。

「ウォール街占拠せよ」を見ると、

「99%の人たち」は、

日本のソフトを求めているのではないかと思います。

米国政府と一体になっている野田政権に、

TPPにNOと言う選択肢はないでしょう。

臆面もなく何事につけ「米国との関係」

という言葉を繰り返して、

政策を推し進めようとします。

日本国民という意識はありません。

米国もある意味同じです。

米国政府にも米国民という意識が希薄です。

国内に閉じこもるのでなく、

米国99%をはじめ

世界70億の人に積極的に呼び掛け、

連携していくことが今必要ではないかと思います