独自路線に活路 セリア 5月25日 (2011.05.25)
過当競争から抜け出す
板につく「カラーザデイズ」
セリア(2782・JQ)は最高益。3期連続ピーク更新の見込み。おしゃれな新業態「カラーザデイズ」が板についてきた。品質、価格も同じはずの100円ショップ。外観や内装などおしゃれなイメージが割安感をもたらすもので、「日常を彩る」ダウンライト照明、BGM、パッケージデザインのもと、売れ筋商品に的をしぼった高級感が受けている。今期から3年。品質改善、オペーレーション、収益管理の再構築に取り組む一方、メーカーと一体になった徹底的な開発も見どころ。しばしば飽和といわれる業界の過当競争から抜け出す構えだ。3月10日24万4400円を高値に震災直後14万円の安値をつけたが、直近高値圏にカムバック。1Q発表(昨年8月5日)にかけて新値更新も考えられる。前期の直営出店81(退店22)、FC同1(同7)。期末1052店舗(FC113)。直営既存店100.3%(2Q累計98.6%)の実績。昨年10月29日と5月6日上方修正したが、後半被災(一時95店舗)による落ち込みを吸収し健闘。2月のバレンタイン関連商品がヒットした。災害特損を1億8400万円計上している。5月6日に日赤を通じて義援金を送り、支援活動を継続している。
11年3月期(非連結)は、9%増収、53%営業増益、同経常増益、55%増益。23期連続増収、営業・経常・純益そろって大幅にピークを更新した。採算のいい雑貨が86%を占め、原価率1.2%、営業利益率で1.8%改善している。12年3月期(非連結)は、売上高910億円(9%増)、営業利益54億円(6%増)、経常利益同(同)、純益26億円(12%増)の見通し。500円増配し3000円配当の予定。15年(創業30年)にかけて事業確立期とみられ、被災・復興を巡る今、来期踊り場。社運によると、今年前半ピークに向かって上昇中。半年後要注意という。100円ショップは、1960年代の催事・処分品販売がルーツ。87年に愛知県で国内初の固定店舗がオープンし、91年ダイソーが常設店舗をチェーン化。キャンドゥ、セリア、ワッツなど続いた。これまで延べ半世紀。震災をきっかけに海外、国内ともにふるいがかかるとみられ、同社は100円均一にこだわり品質、品揃えの改善に傾注。「カラーザデイズ」を編み出し、独自路線に活路を見出した。ダイソー7万アイテムに対し2位の同社2万。むしろ、最大手と対極をなし魅力をひき出している。