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企業レポート

再びピーク更新  OSG  2月19日 (2013.02.18)

追ってぺース上がる

フェニックスシリーズが目玉

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OSG(6136)は高水準。新たなステップに備えるところ。迫ってペースが上がりそうだ。重点顧客、アジア、製品ラインナップをテーマに一段と拡大。ピーク(05~08年)更新が見込まれる。直近3期リーマン前の9割まで戻し、昨年8月以降落ち込んだ中華圏が回復するとパワーアップ。連結売上高900億円、営業利益150億円(中期目標13年度)を射程圏にとらえている。目下、1月稼働したメキシコのコーティングセンター、ダイムラーの膝元で4月稼働予定のドイツ新工場(超硬ドリル)、14年度インドのタップ新工場稼働が見どころ。このほか韓国子会社の無人ライン(タップ5拠点集約)、ハノイとジャカルタ再研磨工場、メキシコとブラジルを結ぶ拠点再構築などインフラ整備も手掛かり。ダントツのタップ(世界シェア推定3分の1)をはじめエンドミル、ドリル、転造工具などトップレベル。むしろ、08年タンガロイと資本・業務提携を解消してから力をつけた。前期登場したフェニックスシリーズが一例。ルクセンブルグの切削工具メーカー「セラティジット」が日本国内と米国28州を対象に同社と提携した刃先交換式工具の最新鋭モデル。これまで5億円成約した模様で年商15億円が当面の目安。本社に入るとひと目でダイヤモンド加工の輝きが飛び込んできた。自動車中心に主要ユーザーの海外生産拡大に呼応。建機、航空機、スマホ、医療にもマーケットが広がり工具メカニズムの粋。もう一皮むけそうなポジションにつけた。ユーザー向け現地対応が進んでいるため、円安株高が定着してもイーブン。1968年米国イリノイ州シカゴでOSGタップ&ダイスを設立したのを嚆矢に海外45年の実績。現在、世界29ヵ国に製造、販売拠点を持ち、今後中東、アフリカに橋頭保ができると全世界レベル。21世紀はアフリカの時代といわれ、円安株高に一喜一憂している場合でない。前回述べたように、これから5年安定・上昇運が続くだけに18年(80周年)にかけて再びピーク更新。石川社長(57)も同運で行き過ぎも考えられる。

2013年11月期(連結)は、売上高860億円(2%増)、営業利益128億円(8%減)、経常利益124億円(9%減)、純益67億円(6%減)の見通し。配当23円(中間10円)を据え置く予定。設備投資60億円(前期102億円)の計画。前期1、2Q飛び出し、3Q持ちこたえ4Q尖閣で前年割れになった。このため、中華圏の動向が気になるという。しかし、4月ドイツ、来期インド稼働。メキシコとブラジル再構築、ハノイとジャカルタ再研磨など詰め将棋の仕込み。ユーザーの期待にこたえようとしている。一方、ボーイングやロッキード、重工など航空機関連(連結売上高の推定5%)に傾注。10%以上になると体質も一変する。今期はフェニックスシリーズの自社生産拡大が目玉。南アジア、中南米、東欧、トルコなど新興市場がターゲットとみられる。1200円が地相場になってきた。

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