前期から浮上 太陽化学 6月11日 (2010.06.11)
乳化剤の新工場着工
サプリメント新興国に浸透
太陽化学(2902・名2)は浮上。05年3月明をピークに前期連結大幅増益。反転のきっかけをつかんだ。買い控え、低価格シフトから見込みより減収だが、原価改善、コストダウン、単価見直しなど採算が予想以上に好転。今期も増益の見通し。先進国で一巡したサプリメント需要が新興国に浸透。前期連結38億円(3%減)にとどまった海外売上高のうち、アジアが14億円(9%増)に拡大している。23億円投入し10月着工(本年9月稼働予定)を決めた新乳化剤工場(塩浜工場内)も手がかり。食品の高い安全性と機能が認められ化粧品、トイレタリーなど用途が広がっているためで、1952年以来の次世代工場。年1700トンの規模という。このほか、6月7日東大で日本アミノ酸学会が開催され、ヒトの注意や集中力を促す「L‐テアニン」の影響が話題になった。事実、06年(創業60年)を節目に次世代入り。リーマンショックを吸収し、次の幕が上がろうとしている。
前期(連結)は、3.5%減収、53%営業増益、経常2.1倍、純益4倍。昨年10月26日と2月8日の修正によるもので、売上高を除き計画を上回った。乳化剤の復調が印象的である。
11年3月期(連結)は、売上高350億円(2.5%増)、営業利益20億円(12%増)、経常利益同(6%増)、純益11億円(15%増)の見通し。配当は16円(中間8円)を据え置く予定。設備投資23億円(前期3億3500万円)の計画。今年は夏場以降上昇運。来年も意外に堅調という。ファンダメンタルズからも、やがて昨年9月の戻り高値979円(1株当たり連結純資産1321円)を抜いてくる。