シェア上がる ダイセキ 11月05日 (2012.11.02)
安定しているのが強み
メーカー一辺倒脱皮の試み
ダイセキ(9793)は1Q堅調。2、3Q踊り場。12月需要期で4Q戻すとみられる。国内製造業の落ち込みを物語るもので、スマホを除き好調業種なしという。関西でエレクトロニクスの低迷がきついほか、持ち直した自動車減産が響いている。一方、子会社の環境ソリューションが1、2Q健闘。通期でも貢献しタケエイとの連携が楽しみなうえ、3、4Q鉛市況回復に伴いMCR反転。大型タンク受注増によりシステム機工も巻き返す見込み。トータル低目だが、単体のシェアが1、2Q6%程度上がった模様で淡々とした印象。安定しているのが強みだ。最近大阪と兵庫で始めたガソリンスタンドの廃油回収が新たな試み。組合経由によるもので、メーカー一辺倒から脱皮。相手先次第で逐一広がる見込み。小口でもまとまるとバカにならず、リサイクル燃料拡販につながる。成功すると関西事業所、明石新工場(土地取得のみ)を刺激しそうだ。もっとも、現在50億円こなす関東事業所の余力4分の1(敷地換算)。90年栃木県佐野に立ち上げて以来順調だが、関東一円をこなすため南部にも拠点がほしいところ。名古屋事業所80億円を突破してこそ本領発揮。次世代の課題とみられる。ちなみに、次世代。95年公開し翌年から新卒を採用し延べ200人。今年、京大の大学院卒が話題になった。すでに課長レベルのプレーヤーが上場前100人を上回り、全社508人・連結742人(前期末)をリード。世代交代にさしかかる。伊藤社長(69)が来年古希を迎えるだけになおさらだ。2015年(創業70年)にかけてもう一皮むける。次世代の人材が揃えば、連結売上高6、700億円程度やってのける。昨年後半から調整運だが来年後半上昇運。一段と安定し懐が深くなった。
2013年2月期(連結)は。売上高393億5000万円(7%増)、営業利益65億1000万円(13%増)、経常利益65億9000万円(11%増)、純益36億円1000万円(13%増)の見通し。配当20円(中間10円)を据え置く予定。設備投資33億円(前期19億円)の計画。次期30億円の見通し。全国産業廃棄物連合会調べによると、2012年1~3月期の処理量3.9%減、4~6月期5.2%減。一部復興需要もあり持ち直しの動きもあるが、全体を押し上げる力なく踊り場が続くという。むしろ、同社にとってチャンスと考えられる。