証券ビュー

企業レポート

そろって堅調 トランスシティ   1月12日 (2011.01.12)

財閥系にない持ち味魅力

3、4Q慎重だけに上方修正も

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日本トランスシティ(9310)は予想以上。倉庫をはじめ港湾・陸上運送、国際複合輸送などそろって堅調。3、4Q慎重だけに上方修正も考えられる。3Q発表は2月9日の予定。昨年11月FRBの追加金融緩和を受けて円高にブレーキ。1、2Q回復した取引先の荷動きが思ったほど落ち込まず、昨年11月から株高もあって踊り場を乗り切る見通し。昨年暮れ297円まで戻したが、日経平均もリーマンショック直前の水準(1万2214円)が目安といわれ、当時380円どころが視野に入った。今期の連結売上高はピーク(08年3月期864億円)の90%に相当し、一連の経営資源見直しによって営業利益も80%まで戻す見通し。このため、新中期計画の策定に入った。今年の社運は動きの中にあるといわれ、取引先、子会社(42)挙げて出会い、交流がビジネスチャンス。15年(創業120年)にかけて次世代3度目の仕込み。もう一皮むけるところにきた。

2Q連結累計は、8%増収、39%営業増益、44%経常増益、38%増益の折り返し。計画を上回った。一般的に昨年初から持ち直したコンテナ船のリバウンドが手がかり。北米航路中心に世界景気の回復を物語るもので、日本の場合、中国や香港より出遅れているのが特徴。運賃上昇も十分でない。しかし、倉庫保管残高が前期並みにとどまる一方、取扱量は大幅に増加し、貨物回転率の改善も急ピッチ。取引先の在庫管理がはね返ってきている。一方、国際複合輸送・その他が53億円(36%増)と大幅な伸び。通期の修正予想91億円(22%増)をしのぐ勢い。業界4位、中部地区最大手で財閥系にない持ち味が魅力である。11年3月期(連結)は、売上高780億円(2%増)、営業利益35億円(4%増)、経常利益37億円(同)、純益22億円(6%増)と当初のまま。配当は8.5円(期末4.5円)を据え置く予定。設備投資18億円(前期28億円)も修正なし。非財閥系のため、新規とリピーターが反転のエネルギー。国際コンテナ戦略港湾の選定で、名古屋・四日市港による伊勢湾落選(昨年8月6日)が決まったものの、3年後の再評価に向けて巻き返しも考えられる。

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