今年後半上昇運 福島印刷 10月12日 (2012.10.11)
上場以来最も魅力的
次世代のビジネスモデル確立
福島印刷(7870)は続伸。データプリントによるIPとDMが2桁の高い伸び。次世代のビジネスモデルを確立した。従来のビジネスフォーム、商業印刷をこなす傍ら、一段と新サービスシフト(前期62%)が進み、売上高60~70億円を射程圏にとらえるピッチ。直前期導入した高速8色輪転機、自動封入封緘機、封筒加工機など能力アップ、メーリングサービス拡充によるもの。反転3期目で10円配当に戻した。前期で設備投資が一段落し、償却負担ピークアウト。今期、中期目標の売上高58億円、380人体制実現の運び。ちなみに、今年後半から上昇運。来年一服するが5年続くだけに目を離せない。印刷業界は91年9兆円をピークに6兆円市場、中小99%といわれる中で異彩を放っている。事実、事務通信を代行する前期のIPDPサービス7億2900万円(23%増)。自治体や金融機関、一般企業にも広がった。一方、費用対効果を問いかける販促ツールDMDPサービス28億円(10%増)も出色。全体の半分を占めた。従来のビジネスフォーム(8%減)、商業印刷(20%減)が落ち込む中で新サービスの伸びが目覚ましい。06年本社隣接地に第二工場棟を増築し高速8色輪転機、08年第二工場2階を改装し高速インクジェットプリンタ設備を導入し先行投資。同年9月リーマンショックに見舞われた。以来3期見事噛み合ってきた。直近1年大震災、原発事故、円高を吸収し、来年消費税引き上げを巡り前哨戦。尖閣・竹島をきっかけに、持ち直した景気が踊り場にさしかかった。毎期3Qに偏る需要期の平準化が課題という。
2013年8月期(非連結)は、売上高58億円500万円(3%増)、営業利益2億6400万円(13%増)、経常利益2億5600万円(18%増)、利益1億4200万円(31%増)の見通し。配当10円(中間5円)を据え置く予定。設備投資2億7100万円(前期4億円)の計画。配当が08年当時の11円に戻れば本物と考えられる。優待に人気があり、例年特産品3000円相当だが、今回地豆をつけるという。8月21日付組織変更と人事異動で営業本部機能を強化。営業推進部に北陸・東京・西日本営業部の4部体制。名古屋を新大阪の西日本営業部に統合した。08年の創業80年を境に脱皮、羽化の場面。前回述べたように、97年の上場以来最も魅力的な経過。8月15日の高値360円を抜いてくるとわかる。