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企業レポート

9月から踊り場 岡谷鋼機 10月2日  (2012.10.01)

中期計画に修正なし

今、来期モノにすると大きい

 

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岡谷鋼機(7485)は踊り場。3、4Q調整場面。淡々としている。欧州債務危機、中国経済減速を受けたもので、9月から尖閣・竹島領有を巡る反日運動の影響が表面化。自動車関連の設備投資にブレーキがかかった。後半読めないという。中国、韓国リスクが浸透し「相当効いた」(岡谷社長)ものの、「中長期修正するほどでない」との印象。事実、天津岡谷(子会社)が苦労しながら浮上。米国岡谷(同)も黒字を確保。1、2Q通じて2013(通過点)、15年度にかかる中期計画順調。9月以降流動的だが、当初予想の実現を念頭に修正していない。連結売上高がピーク(08年2月期)の82%、純益で過去3番目の水準。鉄鋼、非鉄、自動車、電機、商社など他社と比較して高い。中期計画の目玉が海外、技術革新、人材育成。海外は8月に設立したブラジルを含め18拠点、取引高27%(目標30%)。アジア中心だが、14年ワールドカップ、16年リオ五輪を控え、自動車販売世界4位のブラジルにも見どころ。技術革新はプロジェクト本部が幾つか具体的な案件を立ち上げた。現在、六合エレメック(子会社)のエコビルが目玉のようだ。人材育成が決め手。新卒30人(選抜5、6人)、入社5年前後を対象にトレーニー制度拡充によるもの。海外リーダー研修、ナショナルスタッフセミナーなど活発。2019年(創業350年)が節目にあたり、中期計画の補助線上に次世代の若者が登場する見込み。今年低目の安定運。来年後半上昇運だけに仕込み、改善の積み重ねにかかっている。

2013年2月期(連結)は、売上高7300億円(7%増)、営業利益120億円(26%増)、経常利益130億円(16%増)、純益85億円(0.2%増)の見通し。配当24円(中間12円)を据え置く予定。設備投資24億円(前期32億円)の計画。2Q連結累計によると、自動車の生産回復、米国やアジア向け輸出も予想以上。主力の鉄鋼(50%営業増益)、産業資材(82%同増益)の貢献が主因。2Q末在庫387億円(99%)が光る一方、株の値下がり111億円。前期貸倒引当金18億7700万円戻し入れの反動で純益が4%減少した。3、4Q調整場面と述べた。年内中国、米国、韓国、さらに日本でもトップ交代の雲行き。今、来期モノにすると大きい。

 

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