電動工具成形品フル稼働
3Q以降震災の影響が焦点
旭化学工業(7928・JQ)は予想以上。1、2Q計画を上回り1月13日上方修正。3Q以降、震災の影響が焦点になりそうだ。連結売上高の約40%を占める自動車部品成形品が対象。3月14日から得意先の生産停止によるもので、4月18日再開にこぎつける見込みだが、27日まで50%操業。GW以降、仕切り直しという。一方、過半を占める電動工具が好調。中国のほかアジア中心に新興国の需要増が手がかり。江蘇省の工場に成型用工作機械を増強したがフル操業。前半見込みより11%増収となり、上昇する人件費吸収が課題という。昨年10月8日トップ交代。杉浦武社長(43)のリードによるが、会長が言動を控え見守っている状態。社運によると、今年前半ピークに向かって上昇中。後半乱気流に注意という。2012年(創業50年)が節目とみられ、3Q発表(前期7月13日)がポイント。4Q、次期にかけて会長のアドバイスも予想される。国内は持ち出しばかり伝えられるが、やがて復興需要を呼び水に乗数効果も考えられる。同社の場合、過大でも過小でもない対応が魅力。現実的で行動力に富み、逆境に強いといわれている。
2Q連結累計は、22%増収、47%営業増益、39%経常増益、64%増益の折り返し。役員退職慰労金の支払いにより実効税率が低下している。11年8月期(連結)は、売上高60億円(14%増)、営業利益4億3000万円(15%増)、経常利益4億2000万円(11%増)、純益3億6000万円(36%増)に見直した。配当は15円(中間4円)を据え置く予定。直近2期リーマンショックに伴う混乱を吸収したが、震災後流動的な情勢。3Qから軌道修正となりそうだ。1月18日895円を戻り高値に、3月16日422円の安値。半値戻し(658円)をうかがっている。