1Q飛び出す 今仙電機 9月21日 (2012.09.20)
ドリーム2020初年度
世代超えたラウンドリクラー
今仙電機製作所(7266)は復調。新年度飛び出した。8月8日1Q発表を裏づけるもので、連結12%増収、営業利益8.6倍、経常利益6.3倍、純益14倍のあらまし。ホンダ(13%増)をはじめ日産(5%増)、三菱自(4%増)など自動車生産回復によるもの。タイ洪水に伴う落ち込みの反動とエコカー減税が手掛かり。富士重(2.1倍)、いすゞ(80%増)にも手応えがあり5年ぶりピーク挑戦。リーマンショックを吸収し、次のステップに入る上で「ドリーム2020」(新長期ビジョン)を掲げた。グループの夢であり、目先の変化に左右されないためだ。3期単位フェーズ3が焦点、前回述べたシートアジャスタ世界トップ実現に尽きる内容。最終年度1800億円(前期連結787億円)を打ち出した。6月26日に松山元社長の社葬が名古屋市内で営まれたが、9年後故人も目を丸くするに違いない。モノにするため、フェーズ1(2012〜14年度)にスタートダッシュ。研究開発以下6項目に取り組み、野球でいえば今期1回の表に先取点を挙げた印象。6月8日メキシコ新工場建設を発表したのもこの一環。年内着工し2014年1月稼働を目指すもので14億円投入。米国オハイオ工場の生産を一部移管し、追って全行程仕上げ、米国事業の採算改善、中南米向け生産拠点に格上げする意向。8月29日ファイナンスを決議し9月6日条件決定。順調に進んでいる。安く軽く丈夫で安全な部品ニーズに呼応。世代を超えた新製品を開発した。「ラウンドリクラー」と呼ばれ、背もたれの角度を調整する円型の部品。20%超改善し世界最小という。シートアジャスタのほかウィンドレギュレータの巻き返しも見ものだ。
2013年3月期(連結)は、売上高944億円(20%増)、営業利益60億円(2.1倍)、経常利益62億円(2.3倍)、純益38億円(2.5倍)の見通し。配当20円(中間10円)の予定。設備投資82億円(前期64億円)の計画。昨年後半から上昇運。活気のある状態。社長も上り坂で安定運。2019年(80周年)にかけて2度目の事業確立期。スパン10年、ビジネスチャンスにさしかかった。20日1046円(1株当たり連結純資産1815円)で引けたが、今、来期モノにするとスケールに弾みがつきそうだ。