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企業レポート

6月22日開示 日華化学   6月28日 (2011.06.28)

福井に起死回生のDNA

エリアで一番早い鹿島工場復活

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日華化学(4463)は、6月22日業績・配当予想を開示。ひとまず落ち着いた。5月12日の決算発表当時と比較にならないもので、自ら鹿島・関東工場が被災したほか、取引先も大手の自動車や製紙メーカー中心に甚大な被害。新年度10%減収、円ドル80円のため息がもれていた。しかし、3・11から3ヵ月余りで民間企業の操業再開急ピッチ。同社は茨城のグループ子会社3月15日、関東工場同21日、鹿島工場も5月9日再稼働。このため、2Q連結累計3%増収、営業利益3億2000万円程度確保できる見通し。3Q以降、来期にかけて復興需要を手がかりに本格的な稼働が見込まれ、10円配当を据え置く予定。むしろ、逆境になると強い。福井県には関電の大飯(おおい)発電所をはじめ13基の原発があり、戦中米軍の空襲で福井市95%消失。戦後1948年6月28日の大地震でも福井平野が60%超被災し復活した経緯。さらに、幕末松平春嶽や横井小楠など大政奉還を巡る起死回生のDNAが受け継がれている。同社も例にもれず、エリアで一番早い鹿島新工場が復活のシンボル。15億円投投入する台湾新工場(来年2月竣工予定)も44年ぶり生まれ変わる運び。維新、敗戦につぎ3度目の転機を迎えた。10年スパンで08年(創業70年)を節目に2度目の事業確立期。江守社長(49)が今年上昇気流に乗るとみられ、夏場から期待をもてる経過にある。

11年3月期(連結)は、3%増収、31%営業減益、40%経常減益、67%減益。4Q震災の影響で計画を下回ったが、東南アジア向け15%増収が収穫。国内は鯖江と鹿島(2期工事完成をめどに関東工場吸収)、海外も台湾新工場と浙江日華に生産集約。立ち上げ30年を数えるデミ化粧品(実質7.6%増収)が収穫期にさしかかった。有利子負債(122億円)が重しになっている。12年3月期(連結)は、売上高337億円(11%増)、営業利益11億2000万円(15%増)、経常利益10億9000万円(34%増)、純益5億4000万円(2.2倍)の見通し。中間配当5円を実施する。400円台前半の低迷から目覚める時がきた。1Q(昨年7月30日)、2Q発表(同10月29日)が注目される所以である。

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