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企業レポート

予想以上に堅調 トランシー (2012.08.16)

倉庫中心に兵站締まる
3位当確なら水準訂正待ったなし
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日本トランスシティ(9310)は続伸。予想以上に堅調。倉庫中心に兵站が締まってきた。2011年5月掲げた中期計画によるもので、前期先取点、今期追加点が入りそうな経過。7日1Qを発表し上方修正している。前回述べたように、定位置だった業界4位から一つ上がりそうな気配。人材、情報、システム、拠点などグループ挙げてインフラ整備。新設、更新、除却など事業再構築。1Q連結5%増収、13%営業増益と好スタートを切った。2015年に創業120年。前社長(8年)から初めてプロパーが連続トップに選ばれ10年目。現場レベルで世界情勢、取引先の急ピッチな構造変化に対応し定着した印象。連結売上高1000億円、経常50億円(2014年3月期)が中期計画。重点5項目も変わりないが、直近2期採算の改善が目立ち、営業外も好転している。1Qの連結営業利益率5.4%。これに対し三菱倉庫7.1%、住友倉庫6.3%、三井倉庫3.6%。見方にもよるが、120年のステップで遂に財閥系をとらえた。地元四日市港を巡る圧倒的なロジスティクスをベースに国内、海外でも拠点展開。今年で20年を数える商号に一体化している。石油化学が過半を占め、中部3分の2、輸出入四分六の構成。目下、四日市と名古屋港で次世代インフラ整備に傾注。今期の設備投資連結48億円(前期25億円)、次期50億円以上の見込み。スーパーや医薬品、100円ショップ大手など一段と取引拡大。現在亀山物流センターが満杯で稼働する一方、昨年8月プノンペン現法立ち上げ(同年12月シンガポール現法閉鎖)が印象的。リーマン、大震災、欧州など危機を通じて現場の動静がうかがえる。
2013年3月期(連結)は、売上高860億円(3%増)、営業利益43億円(5%増)、経常利益48億円(1%増)、純益31億円(3%増)の見通し。配当9円(中間4円)を据え置く予定。修正は中間期の営業、経常利益をそれぞれ1億円プラスαしたのにとどまった。世界の実需を物語るバルチック海運指数が7月中旬来落ち込んだまま。世界各地の異常気象も気になるところ。しかし、例年2、3Q需要期で追加点も考えられる。今後、消費財中心に物流加工が本格化。倉庫が重要な戦略拠点とみられるためだ。目立たないが、昨年6月立ち上げた勤労部。グループ全体の経営資源を有効活用。人材の確保、育成を促すもので若手リーダーが矢表に立つようになった。同社は今年安定運。小川社長(64)もそうで、2015年からそろって上昇運。願ってもないポジションにつけている。連結2000人(女性500人)の規模。単体のレベルが子会社42、関連会社11にも浸透。連携を強化するのが課題。15日280円で引けだが、1株当たり連結純資産615円。2、3Qを通じて業界3位当確なら水準訂正待ったなし。330円どころの関門を払ってくる。

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