新体制が本格稼働 シロキ 7月10日 (2012.07.09)
空白の7割に開拓余地
トヨタグループのダークホース
シロキ工業(7243)は計画線。7月30日1Q発表の予定。端境期に入った。国内、海外挙げて事業再構築。グローバル化に適応するためで、5月10日発表した中期計画2012〜16、ビジョン2021によるもの。今期連結増収減益予想だが、5、10年後を左右するくさび。昨年6月トヨタ出身の松井社長(56)が就任し、1年後、役員新体制で実現に向け本格的に稼働したばかり。直近3期リーマン、大震災、円高、さらにタイ洪水等こなし連結レベルで体質強化。自己資本比率が31.8%から46.4%、借入金も236億円が95億円に60%減少した。今期の設備投資60億円(前期39億円)の計画だが、前期の営業キャッシュフロー65億円(期末116億円)。資金繰りが楽になった。2010年11月トヨタが筆頭株主、持分法適用になりBS、PLの改善急ピッチ。何より事業のテンポがよくなった。既存5工場による国内の損益分岐点を700億円(現在推定800億円)に下げ、北米、中国、タイ、インド(27%出資)、インドネシア(工場建設中)を拠点に海外展開。国内と一線を画し、海外で材料を調達し生産、販売、決済するしくみ。10年後、海外売上高50%(前期22%)を掲げ、連結2000億円規模が目安。前期1105億円であり5年後1400億円が通過点。この間、営業利益率5%という。シートリクライナ・アジャスタ、ウィンドレギュレータ、ドアサッシなど主力5製品に6番目の次世代製品育成。前期ダイハツ向けウィンドレギュレータが「軽量化技術賞」、北米日産向けボディー部品も「品質最優秀賞」の対象になり受注増をもたらした。インドが難関というが、マルチ・スズキに学びゴーサイン。これから10年、海外でも戦えるサプライヤーにレベルアップ。日系に限らず世界の大手自動車メーカー3割と取引があり、空白の7割に開拓余地。新興国市場でどう戦うか見ものだ。
2013年3月期(連結)は、売上高1156億円(5%増)、営業利益40億円(25%減)、経常利益41億円(23%減)、純益26億円(8%)の見通し。配当5円(中間2円)を据え置く予定。主力製品が端境期に入り、先行投資負担をかぶるものの、計画初年度だけに上振れを期待したいところ。2006年(60周年)を節目に陰から陽の10年。今、来期調整運で仕込みよし。9日 214円(1株当たり連結純資産378円)で引けたが、トヨタグループのダークホース。好スタートを切れば水準訂正に入る。