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企業レポート

今年後半上昇運 ノリタケ 7月10日 (2012.07.09)

設備投資70億円に蓋然性
次の100年にかける決意伝わる

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ノリタケ(5331)は反転目前。ものによると様変わり。今、来期復活の足場ができそうだ。新製品の開発・開拓、海外事業の拡大、本社工場の三好移転など具体化。順調にいけば、国内外で次世代のインフラが続々稼働する見込み。復活に先行するのが、8月1日株式交換により完全子会社になる共立マテリアル(同社1対1.75)。01年子会社化(51%)につぐもので、森村グループの源流企業と一体化。中長期セラミック・マテリアル事業(前期連結35%)に相乗効果をもたらすもの。戦略商品の太陽電池ペースト(前期連結63億円)、リチウム電池焼成炉関連(66億円)、ダイヤモンドワイヤー(3億円)など前半一服。後半持ち直す見通し。注目されるのが、連結で70億円(前期48億円)盛った設備投資に蓋然性。5日発表されたタイ・サラブリ県のダイヤモンド工具新工場完成もこの一環。中国鉄鋼用砥石(10億円)、タイ石膏増産、米国CBN砥石しめて海外29億円の計画。海外の販売35%に対し、同生産12%(前期連結)の現状から、円高を踏まえトータル50%(当面35%)を目安に現地生産を引き上げる。中でも工業機材の展開が急務という。さらに、本社工場移転(20億円)、三好インフラ整備(10億円)も有力な手掛かり。1964年の三好工場操業から半世紀。01年ノリタケの森開設を踏まえたもので画期的。これまで100年の歴史を伝え、次の100年にかける決意が伝わってきた。今年後半から上昇運。来年揺り戻しも考えられるが、延べ5年続くだけに2014年(創立110年)に向けて復活。今、来期の仕込みにかかっている。
2013年3月期(連結)は、売上高1040億円(2%増)、営業利益27億円(44%増)、経常利益35億円(30%増)、純益25億円(44%減)の見通し。配当8円(中間4円)を据え置く予定。ひところドル箱でピーク500億円の食器が前期連結わずか80億円(営業損失6億円)。過渡期を物語るもので、現在72年に立ち上げたスリランカで90%生産している。04年(創立100年)を最大の節目にこれまで動乱期。日立やGMが100年でつかまり方向を見失ったように、同社も似たような経緯。リーマンショックをしのぎ、大震災以降1年、傍目にも波間を漂っていた印象。直近底入れし中期計画(3年)最終年度の追い込みに入った。9日211円(1株当たり連結純資産434円)で引けたが、6月4日に戦後の混乱期以来200円割れ。共立マテリアル取り込みをはじめ、戦略商品、設備投資、本社工場移転など実現すると化ける。8月3日に1Q発表の予定だ。

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