3Q以降本格化 ヨシタケ 7月5日 (2012.07.04)
予想より早い巻き返し
タイ新工場立ち上げが焦点
ヨシタケ(6488・JQ)は巻き返し。今、来期タイのインフラ一新。3Q以降本格化しそうだ。目下8、9割戻し後半フル操業の見込み。当面小牧工場とタイ国内のレンタル振替生産で応急対応。現地で新工場用地を取得し、被災したYWT(ヨシタケ・ワークス・タイランド)を移転する構え。昨年大震災の影響を受け夏場まで在庫で切り抜けたが、10月からタイ洪水につかまりYWT操業停止。原油高、円高、節電など混乱に拍車がかかった。しかし、代替生産でしのぎ3、4Q連結営業黒字を確保。前期21円配当(当初20円)、今期早々25円を表明している。子会社と持分法収益拡大によるもの。用地取得は、タイのレンタル工場がアユタヤ現地から200キロ離れており急務になった。このため、復活は確実とみられ予想より早い。タイ全土で4月1日から最低賃金が40%引き上げられたが、同社の子会社立ち上げが1989年。これまで20年有余の実績と今回の被災を踏まえ、新工場稼働で吸収できる見込み。
2013年3月期(連結)は、売上高61億円(7%増)、営業利益1億8000万円(49%減)経常利益6億2000万円(9%増)、純益5億3000万円(39%増)の見通し。配当性向30%が目安で期末25円の予定。代替生産に伴うロス解消が見込まれ、連結子会社YWTの復活が見もの。このほか子会社2、持分法適用3社も健闘。前期災害損失3億6000万円に対し、受け取り保険金3億9100万円を特益に計上する。国内ではハコモノができてから本格化する復興需要を控え、前回述べた2027年リニア名古屋駅開業を前に今、来期高層・複合ビルなど関連インフラ着工も手掛かり。ビルをはじめ工場、プラント、機械装置など流体制御に定評がある。2014年(70周年)にかけてタイ子会社のインフラ一新。アジアのインフラ整備を念頭にステップアップが見込まれる。今年後半から上昇運。5年続く見込み。欧米債務危機がブレーキとしても、タイ新工場立ち上げにアクセルを踏むところ。昨年8月750円まで買われ、いち早くリーマン前に戻した。