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企業レポート

三大都市圏15工場 カネ美食品 7月4日 (2012.07.03)

チルド立ち上げ巻き返し
ユニーグループにない魅力

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カネ美食品(2669・JQ)は反転途上。脱皮、羽化が見込まれる場面。今・来期目を離せない。デパ地下、駅ナカ、家ナカなど中食ブームによるもので、前期ユニー創業100年に対応し、今期から新たに100年のおつき合い。これまで同グループと約40年取引があり、ユニーが来年2月サークルKサンクスを完全子会社・持ち株制に移行するため、おのずと変わらざるを得ない。中食がデパート、スーパー、CVS、駅や専門店などに広がっているためだ。同社はユニーグループでありながら持分法対象(25.8%)。役員の兼任なし。前期の販売実績連結ユニー45.1%(0.2%減)、サークルKサンクス42.9%(1.2%減)。セブン&アイやイオングループが海外に出たのにひきかえ、ユニーグループは国内ないし地元を固める印象。前期計88%を占める同グループとの取引が相対的にどこまで下がるか見もの。きっかけが前期東西JR構内で始めた弁当やおにぎり類。新潟や岐阜の生協と組んだ夕食宅配。そして、今期埼玉と多治見工場で立ち上げるチルド弁当事業など。前期コンビニ弁当で苦戦しただけに巻き返し。チルドで成功すると雰囲気が一変しそうだ。
2013年3月期(連結)は、売上高827億1800万円(1%増)、営業利益26億8000万円(7%減)、経常利益27億4500万円(9%減)、純益16億400万円(8%増)の見通し。配当50円(期末25円)を据え置く予定。設備投資18億円(前期5億円)の計画。このうち、約10億円投入するチルド関連が目玉で、7月以降納品が始まる見込み。例年夏場が需要期だけに、2Q発表(昨年11月7日)が見どころだ。コンビニ弁当の落ち込みをチルドで吸収。コスト先行により増収減益予想(負の税効果なく純益増)になっている。eashionは、21店舗構え東西でもブランド認知。「イベリコ豚重」に続き「国産豚のレバーカツ」がヒット。3大都市圏で独自の地歩を築き始めた。東西JR駅ナカ、夕食宅配も駆け出しながら販路拡大。50店舗のうち半分赤字とみられる寿司御殿を再構築。試行錯誤が続く中に成功例もある。中食8兆円といわれる市場。同社の連結売上高と勘案するとシェア1%。15工場を擁して三大都市圏に食い込み、ユニーグループにないポジションが魅力。前期末の株主数が500人ふえて8300人になった。優待グルメも好評である。テナント、外販、その他事業挙げて毎期1%改善するとシェア2%に近づくわけだ。今年後半から上昇運。来年一服し再び上昇運。3月27日2876円まで買われ、リーマン直前の水準を抜いた。チルドが成功すると、今年か来年3000円の声がかかりそうだ。今年の新卒47人。優秀な人材が多いという。

 

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