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企業レポート

人心を一新 東洋電機 6月26日 (2012.06.25)

南京の子会社伸び盛り

新体制で100億円目指す

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東洋電機(6655)は22日トップ交代。テンポが上がった。総会後の取締役会によるもので、直近4期リーマン、大震災、記録的な円高など吸収。組織はじめ各種経営改革で乗り切った前社長(60)が任期満了で退任。創業者(故人)の孫で現会長(68)の長男にあたる松尾昇光社長(39)が満を持して登板。大幅な若返りで人心を一新した。新社長(6代目)は今年安定運。2015年(創業70年)にかけて上昇運。会社が上りにさしかかる踊り場だけに願ってもないポジション。今年、来年の仕込みがモノをいいそうだ。すべて現場に情報があるといわれ、志願して営業マンと取引先を回った体験が生きてくる。前期連結尻上がり。売上高を除いて計画を上回り、納得のいく決算だったという。問題は今、来期。欧米債務危機の影響が広がるとみられ、例年1、2Qエンジンのかかりが遅い。新体制が機能すると次第にピッチが上がりそうだ。前回述べたように、92年前身を立ち上げ通算20年の南京子会社が次世代の拠点。4期連続配当している孝行息子だ。昨年11月新工場稼働により日系企業のほか中国、タイなど現地資本にも販路拡大。現地でもエレベータ用センサ(国内シェア7割)で知られ、東京スカイツリーのエレベータにも納入した。日立、東芝、三菱電機など常連。アジアの連結売上高が前期8億円(10%増)に達し全体の1割。2、3割になると日本の本社と南京で年商100億円も夢でない。本社が70年を数える一方、南京は今後10、20年伸び盛りと考えられる。

2013年3月期(連結)は、売上高81億4000万円(0.5%増)、営業利益3億8800万円(3%減)、経常利益4億300万円(4%増)、純益2億5000万円(3%増)と横ばい圏。配当8円(期末4円)を据え置く予定。4月に100%子会社を吸収合併し締まっている。しかし、国内制御装置関連が67億4500万円(0.7%増)に対し、海外同6億500万円(8%減)の見込み。盤関連が減少するという。前期大震災やタイ洪水の影響を受けながら採算を改善。昨年11月と今年5月修正発表したように、前半食い下がると後半の追い込みに見どころ。欧米の信用不安が収まらず、小さな用件でも丁寧にこなせばリピートに結びつくはずだ。システム開発、変圧器、エレベータセンサーなどコアコンピタンス。四国電力と共同で取り組んでいるスマートグリッド監視装置をモノにすると面白い。25日242円(1株当たり連結純資産537円)の気配で引けたが、トップ交代でテンポが上がった。利回り(3.3%)にとらわれている場合でない。

 

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