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企業レポート

もっと力が出る ゲオHD 6月19日 (2012.06.18)

リユース第2の支柱

CCCに追いつき追い越す

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ゲオHD(2681)は堅調。概ね不祥事を乗り越えた。あれほど叩かれながら、連結営業・経常利益が最高になった前期の実績によるもの。客数減の模様だが、復興需要もありレンタルが上振れ。新品頭打ちとあって地道な営業が結果を出した。昨年3月子会社の循環取引から同12月東京地検特捜部の最終報告。さらに、今年3月警視庁の要請で盗品買取防止会議を踏まえガバナンス改善。再三再四伝えられ、けじめの提訴で決着する見込み。敢えていえば、設立15年で東証1部上場を実現。同年(04年)創業者が事故死。その後もM&A案件が続出して急成長が続き、現社長(34=創業者の長男)で5代目。7年で4代を数え、規模拡大にガバナンスがついていけなくなった。ライバルのCCCが昨年7月オーナーのMBOにより上場を取り下げたのと共通するものがある。依然業界2位だが、数年後追いつき追い越す勢い。CCCが強いといわれる都市部の攻防が見ものだ。同社の場合、前期末グループ店舗施設1468(113増)のレンタル・中古買取・新品販売1188に対し、ジャンブルストアやセカンドストリートを擁すリユース323。第2の成長エンジン、支柱になってきた。前期連結238億円(11%増)だが、売上総利益156億円(同)とレンタルを上回り採算上々。メディアと対照的な商材のため人材育成が課題という。1Q復興需要の反動もあり一服だが、2Q以降持ち直し増収増益。前期計上した貸倒引当金、減損を見込まず2期ぶり最高益更新を目指す。09年(20周年)から19年にかけて事業確立期に相当し、今年、来年安定運。社長がパワーを持っているだけに高水準。震災、円高、欧米債務危機などデフレを味方につけている。

2013年3月期(連結)は、売上高2650億円(3%増)、営業利益185億円(1%増)、経常利益183億円(11%増)、純益90億円(31%増)の見通し。配当3000円(中間1500円)を据え置く予定。期末メディア店舗1285、リユース374の計画。会員数は前期末1416万人(10%増)で男性が56%占め、女性が逆転すると成熟に向かうと考えられる。18日8万7200円で引けたが、今、来期締まるともうひと山。28日の総会で上場時に活躍した笹野和雄氏が常任監査役に就任する運び。ガバナンスが正常化するともっと力が出る。

 

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