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微差を大差に アイカ工業 6月12日 (2012.06.11)

6年ぶりピーク更新
前期未曾有の事態で結果出す

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アイカ工業(4206)は好調。前期連結営業利益ほぼリーマンショック前の水準を回復。今期6年ぶりピーク更新の見通し。持ち前の環境配慮型製品が90%を突破。マーケットで定評あるほか、海外、新分野など課題に取り組み、主力4部門縦割りの不合理解消も手掛かり。むしろ震災、復興がビジネスチャンスの契機になりそうだ。2年前、小野社長(55)になって問題点を整理。解決に向け市場変化に適応する旨がはっきりした印象。地道な改良、改善の積み重ねが微差を大差にした。たとえば、2011〜13年度中期計画。前期で最終年度の連結経常100億円、ROE8%以上を実現。今期は連結売上高1000億円、海外売上高100億円(前期62億円)が目標。手許資金300億円のうち200億円をM&Aに備えた。中国、アセアン向け事業拡大本格化。昨年10月、幸先よくインドのメラミン化粧板案件が20億円でまとまり今期フル寄与。売上高14億円(前期5億円)の計画。このほか中国35億円(25億円)、韓国・台湾7億円(6億円)、アセアン30億円(23億円)などしめて100億円。連結売上高の10%以上モノにする構え。新分野は、吸収合併した旧ガンツ化成を母体に電子材料、太陽電池関連、有機微粒子など機能材料の育成が焦点。今期60億円(50億円)の見込み。化成品、建装材、住器建材、電子の主力4部門揃って増収増益を目指す。5月22日オープンした東京スカイツリー。お手洗いブースに今期の目玉「フレアテクト」(0.7ミリ不燃化粧板)の施工例。独自性ある高意匠も魅力のひとつだ。
2013年3月期(連結)は、売上高1000億円(5%増)、営業利益113億円(7%増)、経常利益115億円(同)、純益58億円(14%増)の見通し。配当は34円(中間17円)を据え置く予定。昨年11月15日自己230万株消却。今年4月27日取締役8人に2万3000株ストックオプション表明。ビジネスチャンスに違いない。今年は会社、社長ともに安定運。前期震災、原発事故、円高など未曾有の事態で結果を出しただけに一服。既存市場、海外、新分野で次の足場を固めるところ。2016年(80周年)にかけて2度目の事業確立期。次の山が見える。5月1日1227円を高値に、6月11日1135円で引けたが、値保ちがいいだけに1Q発表(7月31日)が注目される。

 

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