持ち上がる マルサンアイ 6月6日 (2012.06.05)
3Q発表で上方修正も
仕込み次第で化ける踊り場
マルサンアイ(2551)は鬼門。次世代を巡る踊り場。4月27日下方修正している。堅調な豆乳に対し、みその落ち込みと大豆・原油高騰によるもの。先物を見ると、5月以降ともに安い。欧米債務危機再熱、投機資金引き揚げが主因。買い戻しが入っても調整場面とみられ、7月27日予定の3Q発表で上方修正も考えられる。今年3月、設立60年の節目。前回みそ再構築、豆乳収穫期と述べた通り。仕込み次第で10、20年後化ける。たとえば、みそ。昨年の出荷量43万1100トン。00年にひきかえ15%減という。従来から手前ミソといわれ、同社は関東3位(シェア7・8%)、中部1位(25・7%)、関西6位(4・6%)が昨秋のデータ。大手に違いない。業務用を含め1000億円市場。普及品が主力で工場集約、省人化に意欲。子会社玉井味噌(長野県東築摩郡)が合わせみそで一皮むけると面白い。家康が兵糧に不可欠と引き回した八丁味噌のように、品質と価格を守ればナショナルブランドの一角。2018年(創業70年)が目安になる。中国合弁(86%出資)も上海を足場に3億円レベルが射程圏。過去16年の仕込みによるものだ。みそをルーツに国内50年の仕上げ、次世代10年の備えができた。集約・省人化を実現し品質、付加価値が上がるとみそもひとつ上。息を吹き返すはずだ。一方、1980年に立ち上げ第1、第2、第3次ブームといわれる豆乳。昨年22万kl(05年21・7万)でピーク更新。協会によると今年23万klの見通し。豆腐をつくる過程を液状のまま無調整、調整しているもので、イソフラボン報道で落ち込んだ07、08年当時から4割の伸び。震災後牛乳の代替品として重宝されたほか、メディアのメタボ対策も伝えられ堅調。400億円市場といわれる中でキッコーマン(シェア33%)につぎ2位(18%)。中部、中・四国、九州でトップ。30年前「畑のお肉」といわれ11・7klだった市場が倍になったわけで、これから10年予想以上。シャンプー、入浴剤、化粧品など用途拡大。3月から使い勝手のいい容器キャップに改めた。「ひとつ上の豆乳」と「豆乳グルト」が先行指標とみられる。
2012年9月期(連結)は、売上高206億4100万円(2%増)、営業利益3億4000万円(31%減)、経常利益3億7000万円(7%減)、純益1億7800万円(49%増)の見通し。配当は期末6円を据え置く予定。設備投資8億6600万円(前期6億8500万円)の計画。あっさり下方修正したが、後半豆乳が予想以上でみその生産性も上がる見込み。それに、富山県立山町のミネラルウォーター子会社が累損一掃。新体制になって業績が持ち上がるところにきた。会社が今年後半から5年上昇運。伊藤社長(61)は今年上昇気流入り。モチベーションが伝わってきた。