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企業レポート

巻き返し 武蔵精密 6月5日 (2012.06.04)

設備投資220億円
現地対応進みベストミックス

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武蔵精密工業(7220)は堅調。巻き返しに入った。震災、円高、タイ洪水など逆回転した前期の反作用。ホンダの430万台声明に呼応するもので、戦略的復興が伝えられるタイ、新たにインド、メキシコなど設備投資連結220億円(前期180億円)の計画。前期3Qから持ち直した。様変わりになっている。来年1月メキシコ立ち上げを加味すると、海外12ヵ国18拠点(生産13・営業4・物流1)。現地対応が進んでいるため、震災や円高、洪水も吸収しグローバルな復元に見どころ。現に国内が動転した前期1、2Q海外堅調。3Q冠水し操業停止にになったタイ第1工場に対し、ベトナムから移管した同第2工場(敷地約4倍)で代替生産。結構回った。タイで22億円特損を計上したが、応分の保険収入が見込まれる。ツキもあるが怪我の功名。5月に現地生産を再開した。創業来のDNABe Unique一色の2020年ビジョン。軸がぶれず一貫している。近隣のロケーションが最高といわれるインド・バンガロール(2013年度稼働予定)、同北米と南米を結ぶメキシコ・サンルイスポトシ(14年1月同)の立ち上げが見もの。次世代をリードしそうだ。1980年米国進出から30年有余。国内と海外を結び現地対応による一貫生産がベストミックスを生む状態に入る。同郷で取引先OSG(6136)が1968年米国に出て40年有余。現在25ヵ国、57の海外生産販売拠点を通じてグローバル化に成功したのと似ている。08年(創業70年)を節目にリーマン以降の反動を通じて急成長のひずみを修正。前期3Qから攻勢に転じた。直近ホンダグループが72%を占め4・2輪車半々。日系にかかわらず、カムシャフトやトランスミッションギアなど主要製品の取引先が拡大している。今年後半からホンダ上昇運。5年続くだけに同社にとってもビジネスチャンス。アジアと南米が連結売上高の半分、2輪のユーザーが4輪に移るのも事実で、今年と来年の仕込みがモノをいいそうだ。
2013年3月期(連結)は、売上高1380億円(10%増)、営業利益110億円(6%増)、経常利益同(3%増)、純益78億円(76%増)の見通し。さらに6円増配し40円配当(中間20円)の予定。前期崩れなかったのは連結売上高の7割を占める海外の寄与によるもの。国内も354億円(0.9%増)と3、4Q追い込んだ。今年、来年調整運だけに仕込み先行の印象。6月4日年初来安値を更新し、1443円(1株当たり連結純資産1485円)で引けたが、ホンダよりビジネスチャンスが大きい。

 

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