軌道に乗った連結経営
消費税視野に高級品シフトも
サンゲツ(8130)は反転。3期目に入った。リーマンショックを消化。震災、原発事故、円高など吸収。1Q堅調という。しかし、前期4Q増収減益。採算が落ち込んだ。売れ筋が普及品に偏っていいものがさばけず、原油高の影響も表面化。改善が課題という。昨年の住宅着工83万戸(2.6%増)。2年連続プラスで「フラット35」の優遇金利、「住宅エコポイント」など政策効果が支援材料。震災復興は被災地によりばらつきがある。東京スカイツリーの発注にこたえながら経費が出なかったという。それでも、単体が3期ぶり売上高1000億円大台回復。08年子会社になった山田照明も売上高40億円に対し営業利益1億7200万円計上。黒字転換を実現した。05年グループ入りしたサングリーン(エクステリア)が昨年10月八千代商事を吸収合併し、売上高122億円(7%増)、営業利益2億7400万円(58%増)のレベル。連結経営が軌道に乗り始めた。住生活グループ、川島セルコン、住江織物などグローバル化やソリューションをテーマに中期計画を発表したが背伸びの印象。ちなみに、2012〜13年親会社が調整運、サングリーン上昇運、山田照明安定運。親会社は2011年に創業160年。13年には設立60年を数え次世代入り。5月9日志水大阪店長(59)が新任取締役、三菱商事の安田常務執行役員が社外取締役に内定。時代の風を感じる。
2013年3月期(連結)は、売上高1225億円(3%増)、営業利益75億円(6%増)、経常利益78億円(9%増)、純益45億円(8%増)の見通し。配当75円(中間37.5円)を据え置く予定。設備投資は一巡し、見本帳23〜24億円(前期22億円)の計画。インテリア約1万3000点。壁紙が圧倒しており、3月「JAPAN SHOP」で新発売の「エクセレクト」約200種を披露。大震災を境にオレンジをはじめ明るい暖系が支持されているという。機能性壁紙のTVCMで鈴木福を子役に起用。馴染んできた。同社のインテリアは日経平均に連動するといわれ、これまで3月27日の2220円が年初来高値。09年3月の2230円を抜けず調整入り。反転途上にある。今期の売上高は親会社1050億円、サングリーン130億円、山田照明45億円の見込み。LED「Zライト」で足場を固めた照明が次世代をリード。一部鴻海(ホンハイ)に生産委託している模様。消費税引き上げが視野に入り、普及品に偏っていた売れ筋が高級品にシフトすることも考えられる。28日1857 円(1株あたり連結純資産2976円)で引けたが、いずれ相当な水準訂正に進みそうだ。