国内最大手の品質 旭化学 4月23日 (2012.04.21)
10年後に3本の矢
タイが反転のエネルギー
旭化学工業(7928)は計画線。連結増収減益の折り返し。精度が上がってきた。通期予想を据え置いている。4月10日の中間発表によるもので、中国の電動工具成形品が好調なほか、大震災とタイ洪水で落ち込んだ自動車部品成形品も持ち直しているためだ。タイ新工場は7月稼働予定が8月になる見込み。総投資5億円という。ざっと中国の10分の1の規模に相当し当初1、2億円。その後3、5億円レベルに引き上げる模様。次期から海外売上高が国内を上回りそうだ。杉浦社長(44)が中国語、英語をこなし海外をリード。社長は今年後半から上昇運で5年続くだけに楽しみ。一昨年11月代替わりしたが、今年9月創業50年を数え、海外が次世代の軸足とみられる。2Q連結累計は9%増収、18%営業減益、15%経常減益、32%減益。国内2%増収にひきかえ中国20%増収。営業利益も3倍以上。エコカー中心に自動車の挽回生産が3月まで繁忙を極め4月一服という。
2012年8月期(連結)は、売上高65億円(5%増)、営業利益4億2000万円(7%増)、経常利益4億円(4%増)、純益2億8000万円(13%減)の見通し。配当は15円(中間4円)に戻す予定。電動工具、自動車部品ともに取引先の世界戦略によるもの。01年中国に進出して06年増設に踏み切り軌道に乗った。タイの新拠点もスパン10年のプロジェクト。同社は2012、13年調整運だけに仕込みに打ってつけだ。順調にいけば、2022年(60周年)に3本の矢。タイの場合、電動工具と自動車部品のほか園芸工具もラインナップ。園芸は電動工具より遥かに市場が大きく、10年後の新たなテーマ。フルモデルチェンジするところにきた。連結売上高100億円が当面の目安だが、先行して人材育成に意欲。今年、来年が10年後を左右しそうだ。電動工具、自動車部品ともに国内最大手の品質管理をこなし頼もしい。20日536円で引けたが、タイ立ち上げが反転のエネルギーとみられる。