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企業レポート

計画線の折り返し 文溪堂 12月19日 (2023.12.18)

中長期連結最高益更新も 
教材から教育総合サービスに脱皮
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 文溪堂(9471)は堅調。計画線の折り返し。2024、25年巻き返しが見込まれる。ゆとり教育を見直した新学習指導要領によるもので、小学校20年・中学校21年度から反転攻勢。23年度3年繰り上がったGIGAスクール(教育ICT・1人1台端末)と連動しビジネスチャンスだ。コロナ禍やウクライナ・中東情勢に拘らず教育現場が物語るもので、コロナ明け蓄積データをもとにアナログとデジタルが共存するハイブリッド型教材本格化。一段とシェア上昇が予想される。学研(9470)やベネッセ(9783)が多角化、MBOなど市場から後退する中で核心に迫るアプローチ。ハイブリッド型教材のほか、教師の業務負担軽減を支援するソフト開発に取り組み、教材から教育総合サービス事業に脱皮。保護者の費用負担にも配慮しラインナップ精選、製作コスト削減、諸経費見直しなど体質改善に取り組むという。23年6月、文科省幹部経験者を初の社外女性取締役に迎え脱ゆとり教育に一石。同12月、大阪府が高校無償化に踏み切り、大阪市も2人目から保育料無償を打ち出すなど新たな材料。2050年にかけて少子高齢化待ったなしだ。今の中、高校生が父母となり子供を育てるころで、平均的能力を育てた成功体験がブレーキ。従順な人間ばかりで時代の変化に取り残され、日本の社会しか適応できない。従来の6・3・3制に中高一貫校も増加し、高校進学率ほぼ100%で推移しながら、機会均等を除き次の一手が見つからない。23年12月、国内で東大卒の給料が頭打ちといわれ、ハーバード大でもユダヤ・反ユダヤ主義の応酬が伝えられ大騒ぎ。戦後の価値観を見直す動きだ。その点、2020年から3年越しのコロナで対面授業にオンライン上の学習を組み合わせたハイブリッド型授業が伏線。トヨタ(7203)が世界のEV化を認めながら「ハイブリッド」の経過措置を採用したのに等しい。サステナビリティ(持続可能な未来)やSDGs(持続可能な開発目標)で気候変動関連の取り組みも明らかにした。2020年度、教科書改訂に伴う出版物の改訂費用初年度50%、2年度30%、3年度20%。23年度、改訂4年度に相当し編集費負担なし。当初、原材料高騰や在庫処分、物流費増、クラウド対応基幹システム稼働による販管費増を見込んだものの今後上振れを期待できる。
 2024年3月期(連結)は、売上高128憶6000万円(0.8%増)、営業利益8億4900万円(20.5%減)、経常利益9億0400万円(19.7%減)、純利益5億8000万円(17.6%減)の見通し。配当40円20銭(期末20円10銭)の予定。前回述べように、現場やサービスより教育の質が問題。同社が120年以上存在するのも初等教育に尽きる。23年の立て直しこそ巻き返しにつながる。算命学によると、24年好調のど真ん中で大活躍。4月に「こども家庭庁」が設置され、子供の幸せを守ることが日本の未来につながる。「理」で状況を割り切り現実的な結論を出すのが得意という。水谷社長(66)は出番に備え呼吸を整える場面。人生に「休息」の2文字なし。本能的に倍、3倍も働くという。厚労省が11月発表した人口動態統計で23年1~9月の出生数56万9656人。前年同期比5.0%減。出生8年連続減少、婚姻低迷に拘らず巻き返し。シェア上昇が見込まれ中長期連結最高益更新も考えられる。※5月13日発表予定の決算にご注目ください。

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