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企業レポート

最高益の折り返し ダイセキ 11月28日 (2023.11.27)

中長期ビジネスチャンス 
サーキュラーエコノミー具体化
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 ダイセキ(9793)は連結好調。最高益の折り返し。後半も確りだ。単体のシェア上昇(前期末25.2%)と連結子会社ソリューション(1712)の大型案件に伴うピーク更新が主因。MCR、システム機工も底堅い。このため、通期上方修正。中長期自動車ほか半導体関連の生産回復が見込まれ、2018年6月公表した「VISION 2030」を視野に最大のビジネスチャンスとみられる。主力製造業の国内回帰とペントアップ(待機)・インバウンド需要が予想され、春闘に政策支援、円高、インフレなど差し引きプラス要因。前半33年ぶり国内景気回復の走りと考えられる。日本の場合、ITと金融で米中や欧州に後れを取った分、製造業が持ち直すと波及効果も大きい。欧米の雇用が第3次産業8割といわれ日本が7割にとどまる現状や、直近までハイテクと金融頼みの米国とも一線を画した展開。新体制2期目でフェアウェイに乗せた。24年3月稼働予定の広島事業所や九州事業所増強、北海道・東北・南関東を対象に新拠点を検討中。新しいビジネスにも意欲的。ソリューションが23年4月杉本商事G(本社滋賀県)をM&A。ダイセキが22年12月締結した蒲郡市との連携協定や名大発のベンチャー企業と連携し、排ガス・廃液の中からアンモニアを吸着・回収する共同研究も前例のない試み。さらに、経産省が主導する「サーキュラーエコノミー」(循環経済)産官学のパートナーシップに参画するなど国レベルのテーマを具体化している。23年8月、子会社のMCRが栃木県からゼロカーボン企業表彰を受けた。同、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)加盟も目新しい。ROE15%に向けて24年2月期60万株の自社株買いを実施。今後継続する模様だ。対処すべき課題5つ。コンプライアンス体制の充実、グループ連携の強化、関東・関西地区の事業拡大、リサイクル技術の向上、情報化投資。板についた。広島事業所が27年ぶり堰を切るように動き出す。従来の大量生産・大量消費からメンテナンス、リユース、リサイクルまで循環設計によるもので転換点。11月5日発表された製造業の鉱工業生産能力指数98.4(9月)。前月比0.1%上昇。コロナ後21、22年をW底に102に向かって収斂。上放れる公算が大きい。同指数に左右されない業績が先行指標に見える。
 2024年2月期(連結)は、売上高660億円(12.6%増)、営業利益142億円(11.7%増)、経常利益143億円(9.4%増)、純利益88億円(1.5%増)に見直した。配当60円(期末30円)の予定。設備投資56億7000万円(前期67億3900万円)の計画。日本の復活は欧米のITや金融と違って製造業がリードする見通し。算命学によると、24年出番に備え呼吸を整える場面。非常にパワフルでエネルギッシュ。本能的に人の倍、3倍働くといわれる。山本社長(58)は好調のど真ん中で大活躍。ポジションが上がる。理で状況を把握し現実的な結論を出すのが得意と出ている。国内外、戦後最大の転機といわれ24~25年不意の落ち込みに注意。ピンチもチャンスになりそうだ。※4月4日発表予定の決算にご注目ください。

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