後半次のステップ 岡谷鋼機 10月5日 (2023.10.04)
量から質へ転換急ピッチ
維新、敗戦に次ぐ3度目のチャンス
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岡谷鋼機(7485)は連結堅調。小幅最高益更新の折り返し。次のステップに入った。「GIC 2025」(新中期経営計画)後半に相当し量から質へ転換急ピッチ。一段と締まっている。事実、日銀が2日発表した9月短観で大企業製造業のDI(業況判断指数)プラス9と2四半期連続改善。一方、9月末土壇場で「つなぎ予算」を可決した米国がウクライナ支援を巡り米国債格下げ懸念にさらされた。11月17日を期限に再び政府閉鎖が考えられ、世界の金融取引がストップする公算もある。このため、前期旧基準で同計画をクリアした経緯から、後半CN(カーボンニュートラル)、DX(デジタルトランスフォーメーション)、EVなど取組本格化。海外現地化の推進。管理部門の見える化・簡素化などアップデート。正確とスピード・情報活用などハードと連動するソフトの後押しが見どころ。一事が万事、現地・現物・現人の三現主義で乗り切る構えだ。北米全域の取引拡大を目指し、9月メキシコ子会社がモンテレイに同国2番目の営業拠点を開設したのも一例。第2四半期末、海外取引33.8%(10年前約20%)。総合職の新入社員を対象に3ヵ月海外語学研修制度を導入。8人に1人海外に駐在し出張の機会も多い。このほか、6月に日本製鉄(5401)の子会社と共同でEVのモーターに使う「電磁鋼板」を加工・販売する新会社設立。愛知県西尾市にEV向け部品・素材の新倉庫(保管能力5割増)建設も発表した。デフレ30年の調整が一巡しインフレと潮目を迎えた現状で主力の鉄鋼がリード。維新(1868)、敗戦(1945)に次ぐ3度目のビジネスチャンス。ホロスコープ(天体配置図)によるとスケールが大きい。同社のルーツ(1669年創業)を探ると維新前後に相当し、1862年大阪に「福店」(ふくだな)、1872年東京に「益店」(ますだな)を出した当時に匹敵する。洋鉄の輸入で活路をひらいた。戦後の復興需要とプラザ合意まで続く高度成長然り。今回失われた30年の出口とみられ、AIをはじめデジタル革命でグループの「ものつくり」が一変するところにきた。
2024年2月期(連結)は、売上高1兆円(3.9%増)、営業利益280億円(4.9%減)、経常利益310億円(4.8%減)、純利益200億円(15.0%減)と従来通り。5円増配し250円配当(期末125円)と慎重だ。後半改善が見込まれ上方修正を目指す。設備投資73億円(前期82億1800万円)、償却44億9000万円(同42億9900万円)の計画。北米やアセアンで自動車関連に活気がうかがえ、国内も加工や物流、倉庫など稼働率アップ 。量から質へ転換が進む見通し。24年から27年にかけて熊本と千歳の半導体新工場が北米のシリコンバレーに次ぐ存在。製造業の国内回帰を象徴するものでグループにとって支援材料。算命学によると、24年出番に備え呼吸を整える。世のため人のために働き、やがて巨万の富に恵まれるという。岡谷社長(49)も知恵と知識で光を放つ。冷静沈着に状況を分析し現実を立て直すスキルを期待されている。