連結ピーク更新 矢作建設工業 8月1日 (2023.07.31)
これまでにない決意
中長期リニア経済圏で規模拡大
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矢作建設工業(1870)は連結続伸。ピーク更新の見通し。直線コースに入った。新たなグループ中期経営計画(2021~25年度)によるもので、コロナ、ウクライナ危機に拘らず前期2年目で上方修正。加速するとみられる。目指す「課題解決&価値創造型企業」(2030年度)の実現に向けた取組みが本格化。中長期リニア経済圏で規模拡大に伴う生産体制の強化につながりそうだ。主力の建設事業がICTや建設DX推進により生産性向上プロセス改革に提案、コスト競争力を促し既存・新規事業ともにビジネスチャンス。不動産事業も名古屋をはじめ市場ニーズに応えるもので、産業と住宅用地の開発をリード。官有地や土地区画整理事業等ソリューション、メンテナンス、ストックのほかフィービジネスにも意欲。懸案だった持続的成長に光明を見出した。20年前、公共工事脱却からマンション建設、不動産開発、耐震工事などにシフト。前期の連結営業利益率6.5%。スーパーゼネコン鹿島(1812)と肩を並べる。マンションで競争入札を避け特命受注に傾注。大手に引けをとらない提案力がある。不動産開発でも連結子会社の矢作地所がやり手。1967年に名鉄建設と合併した経緯から鉄道土木も明るい。2005年愛知万博のリニモ軌道を請け負った。会社の運勢が名鉄(9048)と同じで興味深い。コロナで見直された「2030年名鉄名古屋駅再開発」が最たるもの。24年度をめどに方向性を判断する見込みだ。この上、リニア経済圏構想が具体化すると、中長期事業拡大の一途。極限状態も考えられる。1993年、独自の補強土避工法パンウォールを開発。今日、防・減災分野の主力商品になった。1996年、耐震補強工法ピタコラムも出色。全国の公立小中学校中心に施工実績№1だ。6月29日、業務組織の変更を表明。エリア拠点に伴う縦割りから事業部門をベースとする横割りとなり戦略実行型。成長・拡大と両輪で安全・品質管理を一層強化する内容。これまでにない決意がうかがえる。3月31日、京都中心にマンションやホテルで実績のある北和建設の全株式を取得し連結子会社に迎えた。大阪万博の「迎賓館」を34億円で大林組(1802)と日建設計3社で落札したのも次の一手。5月10日の決算発表からリニア経済圏拡大で持ち切りだ。
2024年3月期(連結)は、売上高1220億円(9.8%増)、営業利益95億円(31.7%増)、経常利益95億円(30.9%増)、純利益63億円(39.7%増)の見通し。さらに17円増配し60円配当(中間30円)の予定。4~6月期計画線の模様だ。北和建設の資本金8500万円・売上高66億4000万円(2023年3月期)を加味したもの。親会社と同様イノベーションに挑戦、20代の成長環境良好という。算命学によると、同社は2023年あるがまま受け入れ殻を破る場面。名鉄と同運で来年から上放れ。これから半年仕込み如何だ。高柳社長(61)は山のてっぺんで燦然と輝く。多くの人に夢と希望を与えるという。※2月9日発表された決算にご注目ください。